1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455442
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮下 徳治 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (40124630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 純 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50250709)
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Keywords | ラングミュアープロジェツト膜 / N-アルキルアクリルアミド / 分子情報変換 / 高分子LB膜 / フェロセン / テニウムビピリジン錯体 |
Research Abstract |
生体の持つ高度な機能を人工的に発現させるためには、生体膜に類似した分子の配向、配列の制御や分子配列の高次構造が重要である。この様な目的に適した分子組織体構築法の優れた手法として、Langmuir-Blodgett (LB)法が注目されている。本研究では、種々の分子情報を電気的信号や光信号などの物理的情報に変換する生体膜類似の超分子組織体を分子設計することを目的としている。本研究は様々な分子機能団を高分子ナノ組織体中に導入し分子情報変換機能の発現について検討を行った結果、以下の成果が得られた 1)電気的信号による分子機能の発現を目指し、レドックス種であるフェロセン誘導体(Fc)やルテニウムビピリジン錯体(Ru)を高分子LB膜中に導入して新規なレドックス高分子LB膜を作成した。電気化学的手法によりそれらのレドックス高分子LB膜がレドックス種-電極界面、LB膜層間において良好に電子移動反応することが明らかとなった。また、FcとRuの酸化還元電位が異なることを利用してヘテロ積層レドックス高分子LB膜を作成し、電気化学的な分子素子の試作を試みた。その結果、外膜のFcLB膜を内膜のRuLB膜で制御可能なことが明らかとなり、一種の分子素子と見なすことができる。 2)ルテニウムビピリジン錯体の光照射に伴う分子情報変換機能について検討を行った。適当な電子ドナー存在下、RuLB膜に光照射すると光アノード電流が観測され、またそのアクションスペクトルからRuのMLCT吸収バンドの波長光で光電流が発生していることが明らかとなった。これらの結果よりRu (II)が光励起され、ドナーから電子を奪う酸化的光誘起電子移動反応が起こり、Ru (I)が生成し、これが電極で酸化されることでアノード電流が発生したものと解釈できる。 3)高分子LB膜中に光架橋基を導入して二次元光架橋反応に基づく分子パタ-ニングを試みた。その結果、光架橋性高分子LB膜を露光すると有機溶媒に不溶な膜になり、この不溶化はキャスト膜では起こらないことが示された。これはキャスト膜では光架橋基がランダムに配置されているのに対して、LB膜では光架橋基が膜面内に配列され、効率よく光架橋反応が起こるためと考えられる。また、AFM観察から二分子層LB膜でフォトパタ-ニングが可能なことが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Electrochemical Behavior of Hetero-Deposited Redox Ploymer Langmuir-Blodgett Films with Ferrocene and Tris (bipyridine) ruthenium Derivatives" Chem. Lett.563-564 (1996)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Drawing Fine Patterns with Cross-Linkable Polymer Langmuir-Blodgett Film" Chem. Lett.667-668 (1996)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Electrochemical Characterization of Redox Polymer Langmuir-Blodgett Films Containing Ferrocene Derivatives" Macromolecules. 29. 4662-4667 (1996)
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[Publications] Yasuo Ando: "Magnetic Properties of Polymer LB Films Containing Ferrocene Derivatives" Mol. Cryst. Liq. Cryst.286. 89-94 (1996)
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[Publications] Yasuo Ando: "Magnetic Properties of Stearate Films with 3d Transition Metal Ions Fabricated by the Langmuir-Blodgett Method" Thin Solid Films. 278. 144-149 (1996)
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[Publications] Tokuji Miyashita: "Highly Ordered Structure in Polymerizable N-alkylacrylamide LB Films" Thin Solid Films. 284. 330-333 (1996)
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[Publications] Tokuji Miyashita: "Multidimensional Spectroscopy Polymers" American Chemical Society, 17 (1996)
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[Publications] Tokuji Miyashita: "The Polymeric Materials Encyclopedia" CRC Press, 7 (1996)