1996 Fiscal Year Annual Research Report
イネ乳酸脱水素酵素およびアルコール脱水素酵素遺伝子の嫌気ストレス下の発現
Project/Area Number |
07456004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (30183057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 元吉 玉川大学, 農学部, 教授 (90134501)
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Keywords | アルコール脱水素酵素 / ADH / 乳酸脱水素酵素 / LDH / 嫌気条件 / 冠水耐性 / 耐湿性 / 発酵 |
Research Abstract |
イネを用いて発酵の最終段階に働くアルコール脱水素酵素(ADH)と乳酸脱水素酵素(LDH)の遺伝子発現および、嫌気発芽条件におけるイネの生育について検討した。 1.ADHについて (1)ADH欠失突然変異体の冠水耐性が対照品種と比較して劣ることから、ADHは発芽時だけではなく、冠水耐性にも重要であることを明らかにした。 (2)ADH欠失突然変異体においても、微量のADH2の活性が確認でき、しかもそれは嫌気条件で発芽した根に局在していた。 2.LDHについて (1)LDH遺伝子の発現は嫌気条件によって誘導されるが、この誘導はオオムギと比較して一過的であり、その結果乳酸の蓄積による細胞の酸性化が回避され、イネの嫌気ストレス耐性の一因となっていることが推察された。 3.嫌気発芽条件におけるイネの生育について (1)約60の陸稲の育成品種を用いて、冠水条件で発芽試験を行い、日本晴をコントロールとして生育について調査した。陸稲品種の中に日本晴より子葉鞘の伸張のよいものがあった。 (2)4品種を用いて、グルコース水溶液、ショ糖水溶液内で発芽試験を行った。子葉鞘の伸び(長さ)は特に差がみられなかったが、子葉鞘の形態に以上が見られる場合があった。また、水溶液中では見られない根の伸張が見られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松村英生: "冠水条件下のイネ発芽種子の子葉鞘伸長とアルコール発酵の品種間差異" 育種学雑誌. 46別1. 163 (1996)
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[Publications] Hideo Matsumura: "Effect of Submergence on alcohol dehydrogenase(ADH)deficient mutant seedlings in rice." Abstracts of 2nd Crop Science Congress. 40 (1996)