1995 Fiscal Year Annual Research Report
標識遺伝子を用いたカンキツ不和合性関連遺伝子の同定と複対立遺伝子変異
Project/Area Number |
07456021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若菜 章 九州大学, 農学部, 助教授 (10158579)
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Keywords | 自家不和合性 / 自家不和合遺伝子 / カンキツ / アイソザイム遺伝子 / 花粉管 |
Research Abstract |
F_1においてGOTアイソザイム遺伝子にひずみ分離を認めている交配親について、GOTアイソザイム遺伝子と自家不和合遺伝子の連鎖を明かにするために、9品種を種子親として18組合せについて交配をおこなった。また、親子関係の明らかな品種を用いて、不和合性の親と和合性の子を4組合せについて正逆交配をした。さらに自家不和合性確認のために自家受粉処理を約20品種にたいしておこなった。これらの交配結果から、ハッサク、土佐文旦、晩白柚、シシユズなどが自家不和合性であることを確認した。また、これらの交配から得られた多数の交雑実生は現在育成中であり、漸次アイソザイム分析を進めているが、まだ分析半ばであるためアイソザイム遺伝子と不和合遺伝子の連鎖や対立遺伝子変異については明らかな結果は得られておらず、来年度初頭までには当初推定していた結果に近い結果が得られるものと期待している。 他方、自家不和合遺伝子型を推定している上述品種を用いて制限受粉法(約100粒の花粉の受粉)により正逆受粉または自家受粉処理をおこなった。SnSfの遺伝子型を推定していた品種の自家受粉においては対照処理(SfSf×SnSf)と比べて約半分の花粉管の花柱内伸長が見られ、正逆受粉においても同じ対立遺伝子をひとつ持つと推定された品種の組合せでは同様の結果が得られた。しかし、花粉管の伸長のまったく見られない場合もあり、さらに受粉法の改良が必要と思われる。この調査も継続中であり、今年度末までには当初の予定どおり研究が進み、ある程度の結果が得られるものと思われる。 今後は今年度中に上述の残りの解析をさらに進めてその結果を総合的に解析し、供試品種の不和合性に関する遺伝子の数と複対立遺伝子の数を明かにする予定である。
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