1995 Fiscal Year Annual Research Report
総合的害虫管理のための簡易密度判定・意思決定システムの開発
Project/Area Number |
07456028
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久野 英二 京都大学, 農学部, 教授 (10026560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 裕一 滋賀県立短期大学, 農学部, 助教授 (90259391)
高藤 晃雄 京都大学, 農学部, 教授 (50026598)
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Keywords | 2項サンプリング / 逐次抽出法 / 防除要否判定 / トビイロウンカ / ナミハダニ |
Research Abstract |
まず理論面では、害虫の発生密度あるいは被害度を、要防除水準を境界値として高低2段階に区分し、その比率をもとに推定・意思決定を行う新しい2項型調査計画について、詳しく検討した。必要サンプル数および必要労力・コストと調査に含まれる諸条件の関係を定式化して、その有効性を比較・検討した結果、特にWald型逐次抽出による防除要否判定に用いる場合、この簡便法は実用性が高く省力調査技術としてきわめて有望なであることが示された。この新方法は、対象害虫の分布様式の情報を一切必要とせず、また他の方法と異なり分布集中性の高い害虫ほど省力効果が高くなるという点に特長がある。あわせて、その実用化に向けて、害虫の中でも調査の難度が高い水田のトビイロウンカと蔬菜・花卉園のナミハダニを主対象に、野外個体群の分布様式に関して長年蓄積してきたデータを整理して分布集中度指数値の変動解析を、現場におけるこれら諸条件、たとえば区分の境界とすべき密度・被害度レベル、抽出、移動、判定にそれぞれ要するコスト(時間)などについて具体的なデータの収集を行いつつある。特にトビイロウンカについては、九州およびインドネシア・ジャワ島においてとられたのべ50作期(地点)以上に及ぶ分布データの解析をほぼ終え、上記の省力調査技術の実用化への基礎を固めた。他方、害虫管理におけ発生診断・意思決定へのファジ-理論の適用の前段として、診断・決定に至る各過程に関わる、または考慮すべき要因の抽出を行い、問題点を明らかにする作業を行っている。
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