1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07456031
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
堀野 修 京都府立大学, 農学部, 教授 (10209306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津下 誠治 京都府立大学, 農学部, 助手 (10254319)
久保 康之 京都府立大学, 農学部, 助教授 (80183797)
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Keywords | 免疫電子顕微鏡 / イネ白葉枯病菌 / 炭そ病菌 / 多糖質 / 非病原性遺伝子 / 病原性遺伝子 / メラニン / 付着器 |
Research Abstract |
1.イネ白葉枯病菌のもつ非病原性遺伝子の1つavrXa10の翻訳産物についてその局在性および発現機構について検討した。まず、avrXa10の翻訳産物に対する抗体を得るために、その遺伝子の一部を発現ベクターにクローニングし、これにコードされるタンパク質を大腸菌を用いたin vitro発現系により発現させた。つづいてタンパク質の精製を行い、これでマウスを免疫することによりavrXa10産物に対するポリクローナル抗体を得た。この抗体を用いてavrXa10をもつ菌株についてその培養菌および感染イネ葉内に存在する菌の免疫電子顕微鏡観察を行った。その結果、avrXa10の翻訳産物は菌体内部に局在しており、また、培養時あるいは感染時のいずれにおいても、発現されていることが確認できた。したがって本タンパク質は感染特異的ではなく、恒常的に発現するタンパク質であることが明らかにされたとともに、その機能としてはこれが直接宿主の抵抗性反応を誘導するのではなく、その機能をもつ物質の生産、あるいは分泌に関与することが考えられた。 免疫電子顕微鏡観察に供する抗体作製を目的としてウリ類炭そ病菌のメラニン合成酵素サイタロン脱水酵素遺伝子(SCD1)の発現ベクターをpMALシステムを用いて構築し、大腸菌で大量発現させサイタロン脱水酵素の精製を行った。SCD1発現ベクターを導入した大腸菌から得た菌体内可溶性画分を用いて、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーを行い、SDS-PAGEにおいて約24KDaの単一バンドを確認した。この精製酵素の活性を、基質サイタロンを用いたin vitro反応系で調べ、逆層系HPLCによって反応生成物である1,3,8-トリヒドロキシナフタレンの生成を確認した。その活性は、温度30°C、pH8.4でピークに達するとともに、メラニン合成を阻害するイネいもち病菌の防除薬剤カルプロパミドによって阻害されることを確認した。
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