1996 Fiscal Year Annual Research Report
家蚕濃核病ウイルスの増殖機構とその宿主特異性の分子機構
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07456032
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伴戸 久徳 北海道大学, 農学部, 助教授 (20189731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 健 北海道大学, 農学部, 助手 (30241368)
浅野 真一郎 北海道大学, 農学部, 助手 (60222585)
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Keywords | DNAウイルス / 宿主特異性 / 制御蛋白 / トランス・アクチベータ- / 遺伝子複製 |
Research Abstract |
家蚕濃核病ウイルス(山梨株:BmDNV-2)は、ゲノムとして線状1本鎖DNA(VD1,VD2)を含み厳格な宿主特異性を示す小型球状ウイルスであるが、その遺伝子構造について不明な点が多く、増殖機構については全く判っていない。本研究ではBmDNV-2の増殖機構を解明する目的で、まずDNA複製機構についての解析を行った。また同時にウイルスの増殖機構を解明する目的で、ウイルスゲノムDNAの一次構造解析、およびウイルスタンパク質の機能解析を行った。 これらの研究の結果、本ウイルスは今までに報告されている他の線状1本鎖DNAウイルス(パルボウイルス)とは全く異なった遺伝子構造を持つ新しいタイプのウイルスであることが判明した。まず、本ウイルスがBmDNV-1など他のパルボウイルスとは異なるDNA複製機構を有する事が示唆された。次に、本ウイルスの2種のウイルスゲノム(VD1,VD2)の一次構造が判明し、ゲノムDNA上に存在するORFの大きさや位置、そしてウイルス遺伝子の発現制御に関わると考えられる配列などが明らかになった。また、VD1/ORF2には主要構成タンパク質がコードされており、VD1/ORF3とVD1/ORF4にコードされているウイルスタンパク質(p37,p14)は共に主要構成タンパク質遺伝子のプロモーターをアクティベートする制御タンパク質である事が判明した。さらに、VD2/ORF2にコードされているウイルスタンパク質(p27)はウイルスのゲノム上に存在する全てのプロモーターをアクティベートすることが示され、p27が本ウイルスの宿主、および組織特異性を決定している分子機構を理解する上で極めて重要なタンパク質であることが推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hisanori Bando: "Analysis on the genetic imtormation in a DNA segment of a winus of new type from silkworm" Archives of Virology. 140. 1147-1155 (1995)
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[Publications] Tohru Hayakawa: "Detection of replicative intermechiate with closed terminus of donsonucleosis virus" Archives of Virology. 142. 1-7 (1997)