1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07456047
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 農学部, 教授 (20143406)
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Keywords | 酵母 / Saccharomyces cerevisial / 細胞壁 / 細胞内輸送 / 蛋白質局在化 / グルカン / マンナン蛋白質 / 糖鎖 |
Research Abstract |
我々が新規に取得したマンナン糖鎖が短い酵母変異vig9については、野生型遺伝子の塩基配列を完全に決定し、野生株,変異株,及び形質転換株の酵素活性測定などにより、これがmannose-l-phosphateとGTPからGDP-mannoseを合成するGDP-mannose pyrophosphorylase の構造遺伝子であることを明らかにして投稿中である。GDP-mannoseはmannose転移の前駆体であり、この不足がマンナン糖鎖不全の直接的原因である。本遺伝子はほぼ同時に米国の2研究者もクローン化したが、機能を証明したのは我々が初めてである。同じく糖鎖不全となるvig4変異を相補する遺伝子を新たにクローン化し、全塩基配列を決定した。これは417アミノ酸よりなる親水性の新規な蛋白質をコードしており、アミノ酸配列の相同性などの解析からは、機能が予想できなかった。遺伝子破壊株は温度感受性を示した。一方、浸透圧保護剤がないと生育できない酵母変異株のうち、JS23株とJS30株について、薬剤感受性などの詳しい性質を解析し、JS23株が特にグルカン合成阻害剤に著しく高感受性であることを明らかにした。これらの株は、接合頻度も著しく低く、通常の遺伝解析は行えなかった。DNA形質転換効率も低かったが、種々の条件検討と改良によって向上を図り、野生型酵母遺伝子ライブラリー中から、各々の浸透圧保護剤依存性を解消するプラスミドを取得することができた。現在、これらの断片上の遺伝子の確定と塩基配列決定を進めている。また、Kluyveromyces marxianus由来の特異な酸性ホスファターゼについては、計画の通りに大腸菌で融合蛋白質を大量生産して精製し、これを抗原としてウサギを免疫した結果、抗原とは十分な反応性をもつ抗血清を得た。ところが、酵母に対しては極めて反応性が低く、従って特異性も十分でなかった。これは大腸菌ではおこらない蛋白質の修飾によると予想されるので、原因を調べ、またタグ標識による検出への計画切り替えも検討している。
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[Publications] Hisashi Yamakawa: "Usol protein is a dimer with two globular heads and a long coiled-coil tail" J.Structural Biology. (印刷中). (1996)
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[Publications] Masahiro Kito: "Calcium and SLY genes suppress the tesnperature-sensitive secretion defect of Sacclaromyces cesevisiae usol matant" Biochem. Biophys. Res.Commum.(印刷中). (1996)