1995 Fiscal Year Annual Research Report
補酵素回収再生系による複合酵素バイオリアクターの開発
Project/Area Number |
07456051
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
太田 隆久 工学院大学, 工学部, 教授 (30011844)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 政吉 工学院大学, 工学部, 助手
|
Keywords | バイオイアクター / 補酵素 / 固定化酵素 / NAD / ATP |
Research Abstract |
HiLoadシステムを用いいてL-乳酸脱水素酵素の精製を試みた。イオン交換カラムHiaTrapSP及びHiTrapQを用いることにより精製が可能であった。 ホウ酸カラムとしてアフィゲル601を用いて補酵素の吸着と脱離の基礎的な条件設定を行った。NADの吸着にはMgCl_2を含むTriethanolamine-MES緩衝液pH8の条件が、また、脱離にはMES緩衝液pH6が適当であることがわかったが、さらに検討の余地がある。 補酵素再生系のバイオリアクターを構築するために必要な酵素の固定化の検討は以下の通りである。NADH利用系酵素システムとしてはL-乳酸脱水素酵素(LDH)を、またNADH再生系酵素として蟻酸脱水素酵素(FDH)を選び、それぞれの固定化条件の検討を行った。固定化酵素の担体としてはアフィゲル51を用いた。LDHの場合、0.1M(pH7.0)のMOPS緩衝液を用いた場合、担体ゲル1mlあたり0.02から7.1mg酵素蛋白質の吸着によりゲル1mlあたりの活性は1.8Uから6.2Uに変化した。この条件下では固定化酵素の比活性は固定化蛋白量の増加にともなって153U/mgから0.88U/mgへと低下した。これは固定化担体の固定化能が高く、高濃度に酵素が固定化されるためゲル中での実質基質濃度が減少して見かけの比活性変化してためと考えられる。この活性はバッチ法で測定したため、来年度カラムリアクターを構築した際は反応液の空間速度を変化させて反応効率を検討する必要がある。FDHの固定化も同様に行ったが、この場合も類似の現象がみられた。 この2酵素の固定化ゲルを組み合わせて実際に補酵素のリサイクルが生じることを確かめる実験を行い、用いた補酵素量に対する基質反応量の比を求めたところ約60となり、この系で少なくとも数十回の補酵素のリサイクルが行われていることが確かめられた。 これらの成果の一部は日本農芸化学会1995年度大会において報告した。
|