1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07456061
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伏木 亨 京都大学, 農学部, 教授 (20135544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和生 京都大学, 農学部, 助手 (80213148)
河田 照雄 京都大学, 農学部, 助教授 (10177701)
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Keywords | 持久力 / 食品 / 運動能力 |
Research Abstract |
運動能力、特にマウスの持久力を測定できる装置として表面流水プールを作成してきたが、その精度を高めるための改良を加えた。本装置によって、各種の試料を投与したマウスの持久力の変化が評価できるようになった。この装置を用いて、中鎖脂肪酸トリグリセリドを8%食餌に添加したマウスの限界遊泳能力が漸増することを明らかにした。15%では効果は無く、25%ではむしろ運動能力を阻害することが明らかとなった。中鎖脂肪酸トリグリセリドは単回の投与では全く効果が無く、投与を開始してから効果が現れるまでには少なくとも10日程度のラグ時間が観察された。このことは、エネルギー代謝に関与する酵素が誘導されて効果を発揮する可能性を示唆している。中鎖脂肪酸トリグリセリドを4週間投与したマウスでは、30分間の運動の後の残存筋肉グリコーゲン量が多いことが明らかになった。また、一定時間の運動を負荷した後の血中乳酸濃度も中鎖脂肪酸トリグリセリド投与群で有意に底値であった。すなわち、生化学的な指標でも有意な持久能力の増加が確かめられた。中鎖脂肪酸トリグリセリドを4週間投与したマウスでは、筋肉のTCAサイクルの酵素のいくつかは増加していた。また、ケトン体を利用する系の律速酵素の顕著な誘導が筋肉で観察された。中鎖脂肪酸トリグリセリドは肝臓で速やかにケトン体に変わり、筋肉でのケトン体の利用を増すことによって持久運動能力を増強させているものと結論できる。
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