1996 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス高固定樹種の検索と遺伝育種学的向上に関する研究
Project/Area Number |
07456076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 明 九州大学, 農学部, 教授 (30253511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 進 九州大学, 農学部, 助教授 (70226314)
玉泉 幸一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80205062)
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Keywords | 炭酸ガス / 炭酸ガス固定 / 樹木 / 遺伝 / 育種 |
Research Abstract |
1.炭酸ガス固定能,成長量の把握 九州の5河川と屋久島から収集したセンダンの実生の成長を比較した。その結果、緑川で採取された種子の中に成長の良好な個体が多いことが明らかにされた。さらに、各採取地の遺伝変異をRAPD法によって解析した結果、屋久島のセンダンが、他の地域のセンダンと隔離されていることが判明した。 2.組織培養による培養系の確立 対象樹種としてセンダンとニセアカシアを選定し、組織培養による増殖法について検討した。センダンは外植体として腋芽を用い、MS倍地にBAPの1ppmの添加で増殖できることが確認された。ニセアカシアは芽生えの胚軸から誘導されたカルスを経由して不定芽を誘導する培養系が確立された。 3.育種 センダンは、発芽種子を無菌的にコルヒチン処理することによって4培体を作成できた。この4培体植物を順化・生育させ、交配育種によって3培体を作出することが可能となった。ニセアカシアはカルス選抜による変異体を作出する目的で、継体培養されたカルスに塩処理を行い、生き残ったカルスを経由して植物体を再生させるための培養系を確立した。塩処理されたカルスより分化したシュートは正常なカルスから分化したシュートと比較して形態的に異なっていることが確認された。炭酸ガスの固定機能などの特性については、これらのシュートから植物体を再生させた後、比較が可能となる。
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