1995 Fiscal Year Annual Research Report
メラミンとユリアの共縮合に関する基礎的研究とその応用
Project/Area Number |
07456077
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
富田 文一郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40012075)
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Keywords | メラミン / ユリア / ホルムアルデヒド / 共縮合 / C-13NMR / アイソトープホルムアルデヒド |
Research Abstract |
C-13をラベルしたアイソトープホルムアルデヒドを用いて各種のモデル化合物を合成し,中性下におけるメラミンとユリアのホルムアルデヒドによる共縮合反応をC-13核磁気共鳴(NMR)スペクトルを用いて解析した。この方法によると、C-13の天然における頻出度は非常に低いためラベルしていない通常のホルムアルデヒドやそれが付加したメチロール基やメチレン基などは観察されない。従って、ラベルしたメチロール基をメラミンあるいはユリアに導入することにより、C-13 NMRスペクトルでは、これらのメチロール基の挙動だけが観察できる。この方法を用いて各種の縮合反応を行った結果は、以下のようにまとめられる。 メラミンのメチロール基は、ユリアの第一級アミノ基との共縮合によるメチレン結合を生成しやすく、メラミンのジメチレンエーテル結合生成による自己縮合に優先した。また、ユリアのメチロール基もメラミンの第一級アミノ基とメチレン結合により共縮合し、自己縮合に優先した。また、トリメチロールメラミンのメチロール基は第一級アミノ基を持たないメチロールユリアとの反応で、メチレン結合よりジメチレンエーテル結合の生成による共縮合が優先することが判明した。さらに、メラミン、ユリア、ホルムアルデヒドの三者を同時に反応させた系では、ジメチレンエーテル結合によるそれぞれの自己縮合と共縮合がメチレン結合によるそれらに優先することが確認された。 以上の結果から、メチレン結合による共縮合を生成させるには、ユリアあるいはメラミンのメチロール体をそれぞれ第一級アミノ基を残した相手と反応させることが必要であると確認した。この結果を基にして実用的な合成方法を検討している。
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[Publications] Bunichiro Tomita: "Analysis of Cocondensation of Melamine and Urea through formaldehydewith C-13 Nuclear Magnetic Reronance Spectroscopy" Mokuzai Gakkaishi. 41. 349-354 (1995)
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[Publications] Bunichiro Tomita: "Analysis on Cocondensation of Melamine and Urea through C-13 Enriched Formaldehyde with C-13NMR Spectroscopy" Mokuzai Gakkaishi. 41. 490-497 (1995)