1995 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース系サーモトロピック液晶ポリマーの分子設計
Project/Area Number |
07456080
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中坪 文明 京都大学, 農学部, 教授 (10027170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 和也 京都大学, 農学部, 助教授 (10026601)
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Keywords | セルロース系サーモトロピック液晶 / 内部可塑剤 / 主鎖型液晶ポリマー / 流動複屈折現象 / 側鎖型液晶ポリマー / 開環重合法 / セルロースの化学合成 / 構造-物性相関 |
Research Abstract |
セルロースの熱流動化を研究計画に沿って検討した。1)内部可塑剤による熱流動化:可塑剤として、セルロースと水素結合で結合し長鎖アルキル基が導入し得ると考えられる長鎖アルキルグルコシドを選択し、種々の条件下(例えば、アルカリセルロースを調製した後、アルキルグルコシドで処理する)で熱溶融化を検討したが、いずれも望む結果は得られなかった。今後、均一系セルロース溶剤を用いた検討が必要である。2)主鎖液晶ポリマーの分子設計と調製:メソゲンとしてp-hydroxyphenyl 2,3,6-triacetyl-β-D-glucosideを選定し、glucoseacetateから調製した。その得られたglucosideはhexamcthylenediisocyanateと封管中、tolueneを溶媒をして130℃で加熱して反応させ、重合度約45のポリマーを調製した。このポリマーは140℃にて熱流動し流動複屈折現象が観察され興味深い。3)側鎖型液晶ポリマーの調製:この目的のためには、特定の置換基を特定の場所に位置特異的に導入する方法を確立する必要がある。しかしながら、天然のセルロースからの調製はC-6位以外は不可能である。そこで、このような分子の設計が可能なセルロースの化学合成法の確立が不可欠である。申請者は十数年来この研究う取り組み、平成7年に置換基効果を考慮して世界初の開環重合法によるセルロースの化学合成に成功した。そこで、予備実験としてまず2-methylcelluloseの調製に成功した。そして、セルロースの2-位のみにmethyl基を導入するとその溶解性など極端に変化するなど、極めて興味深い結果を得た。今後種々の長鎖アルキルエーテルおよびエステル基が特定の位置に導入されたセルロース誘導体を開発した開環重合法を用いて調製しその構造-物性相関を調べることが重要である。
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[Publications] Hiroshi Kamitakahara: "Substituent Effect on Ring-Opening Plolymerization of Regioselectively Acylated 1,4-Anhydro-α-D-glucopyranose Derivatives" Macromolecules. 29. 1119-1122 (1996)
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[Publications] Fumiaki Nakatsubo: "Cationic Ring-Opening Polymerization of 3,6-Di-O-benzyl-α-D-glucose 1,2,4-Orthopivalate and the First Chemical Synthesis of Cellulose" J. Am. Chem. Soc.118. 1677-1681 (1996)