1997 Fiscal Year Annual Research Report
木質ボード構造の金具接合部の衝撃疲労強度設計に関する基礎的研究
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07456082
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
又木 義博 九州大学, 農学部, 教授 (50038212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 嘉安 九州大学, 農学部, 助手 (40165428)
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Keywords | 木質ボード構造 / せん断耐力壁 / 釘接合部 / 二面せん断試験 / 衝撃力 / 衝撃応答挙動 / 衝撃疲労 |
Research Abstract |
自然環境保護および木質資源情勢から、各種の木質ボードが広葉樹合板の代替材料として使用されつつある。本研究では、それらを面材としで用いた耐力壁の釘接合部の衝撃繰返し負荷に対する性能について検討し、耐震や耐風の構造設計施工に関する基礎資料を得ることを目的としている。本年度においては、木質ボードとしてパーティクルボード、MDF,OSBおよび針葉樹合板を用い、釘接合部の衝撃繰返し負荷に対する性能におよぼす衝撃力レベルの影響について、広葉樹合板の場合との比較のもとに各種の二面せん断試験を行った。 まず、繰返し毎に負荷レベルが上昇する段階的二面せん断試験での釘接合部の基本的な荷重-すべり挙動について検討した。 つぎに、落錘型の繰返し衝撃二面せん断試験を、重錘の落下高さを3段階に設定することにより衝撃力のレベルを変化させて行った。その結果、繰返し負荷に伴い残留する永久すべり変位量は、衝撃力レベルが低い場合には、いずれの種類の側材(面材)においても、繰返し初期100回程度までは急増し、その後は漸増するような2段階の増加傾向を示すのに対し、衝撃力が大きくなると、初期の永久すべり変位量の増加が著しくなり、破壊までの繰返し数が減少することが確認された。 なお、側材の種類による差異については、針葉樹合板の永久すべり量が最も少ない負荷繰返しで高いレベルに達し、MDFは衝撃力が大きい場合は他のボードと比較してより高いすべり抵抗を示すのに対し、衝撃力が小さい場合は他のボードに比べてすべり抵抗が著しく減少することが認められた。また、合板、パーティクルボードおよびOSBは、ほぼ同様の永久すべり量進展傾向を示し、繰返し負荷に伴い釘着部の圧密化を生じ、すべり量の増加の割合が大きく減少する傾向を示すことが確認された。
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