1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07456085
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大和田 紘一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 昌彦 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10242174)
小暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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Keywords | 深海微生物 / 好圧性 / RFLP pattern / vibrio / キャラクタリーゼーション / 加圧培養 |
Research Abstract |
本年度は東京大学海洋研究所の研究船、白鳳丸によるKH-95-2航海があり、琉球海溝、マリアナ海溝や熱帯および南太平洋の深海域において深海微生物をキャラクタライズするための多くの研究を行うことが出来た。まず、深海堆積中の微生物のバイオマスを知る手がかりとして、堆積物粒子を蛍光色素DAPIで染色し、DNAを持つ微生物を蛍光顕微鏡かで染め分ける方法の検討を行い、うまくいくことが確かめられた。その方法で計数すると、深海でも測点によって異なるが、堆積物中では10^6〜10^7cells/g(dry weight)であることが確かめられた。その堆積物から1/5ZoBell培地を用いて2℃および20℃でそれぞれ50および150株の細菌を分離し、属レベルで同定をすると同時に特に今回はVibrio属の細菌にしぼって16S rRNAをPCRを用いて増幅後、RFLP pattern を解析した。その結果、低温で分離された5株はこれまで低温性Vibrioとして知られているVibrio marinusに非常に類似していることが分かった。研究船から0m、2000m、4000m、6000mの海水試料を無菌的に採取後、直ちにそれぞれの海水試料を1、200、400、600、800気圧の水圧を加えて2℃で培養を行い、また20℃、1気圧の対照も加えて試料中の微生物の増殖を調べた。その結果、どの水深の試料においても常圧で最も速く増殖し、菌数も高くなる傾向は認められたが、加圧条件においては水深によって特徴的なパターンが観察された。表層水の細菌群集は深層の加圧条件下ではほとんど増殖しないのに対して、深層水の微生物群集は各試料が採取された水深付近の圧力条件で最も高い増殖が認められ、深海の現場においては水深に応じた圧力への適応能力を持つ細菌が棲息していることが推察された。
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