1995 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型による魚類の人口種苗および野性集団の遺伝的多様性に関する研究
Project/Area Number |
07456090
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
谷口 順彦 高知大学, 農学部, 教授 (20036742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 伸吾 高知大学, 農学部, 助教授 (20216518)
岩崎 望 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 助教授 (20193724)
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Keywords | DNA多型 / 遺伝的多様性 / 人工種苗 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下のようにまとめられる。 1.新しい遺伝標識として、マダイを対象魚種として用い、単遺伝子座法であるマイクロサテライト部位の検出を試みた。その結果、GTあるいはCAを単位としたマイクロサテライト遺伝子座を単離でき、5つの遺伝子座を得ることができた。それぞれの遺伝子座において顕著な多型性が見られ、バンドの検出域が広く、型判別も容易であった。配列の反復数の違いによって区別される対立遺伝子数が16〜32と多く、ヘテロ接合体率は0.675〜0.907とアイソザイムに比較して著しく高かった。マイクロサテライト遺伝子座におけるこのような変異性の高さは、今後の様々な研究へこの遺伝標識を応用できる可能性を示唆している。 2.RAPD法が集団の解析に有用であるかどうかを判定するために、クローンアユ6系統について尾鰭サンプルより抽出したDNAを用い、RAPD法により得られたDNA断片のバンドパターンのクローン間比較を行った。その結果、6系統内ではバンドパターンは全て同一であったものの、系統間ではバンドパターンは異なり、6系統について個体判別することが可能であった。このことより、RAPD法が集団分析を行う上で実験手法として有用であることが確認された。 3.続いて、ゴンズイ稚魚群内の遺伝的構成を明らかにするための研究に必要な予備的実験を行い、実験手法を確立した。ゴンズイ成体の生の標本、冷凍標本、エチルアルコール液浸標本、ホルマリン液浸標本を用意し、各標本から血液、尾鰭を採取した。各標本でRAPD法を試みた結果、冷凍標本、エチルアルコール液浸標本の尾鰭サンプルが最も適していることが明らかになった。また、RAPD法を用いる上で適切なテンプレートDNAの量を決定した。
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