1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07456093
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西田 清義 北海道大学, 水産学部, 教授 (20001620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓之 北海道大学, 水産学部, 助手 (90241372)
尾島 孝男 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30160865)
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Keywords | スケトウダラ / ミオシン / アミノ酸配列 / ヘビーメロミオシン / 練製品 / メチルリジン / cDNAクローン / すり身 |
Research Abstract |
昨年までにcDNAクローニングによりスケトウダラ・ミオシンのHMM部分のアミノ酸配列(1-1287残基)を決定した。今年度はその演繹配列とミオシンの配列との相同性及び修飾アミノ酸の種類と存在位置について検討した。まず、すり身から調製した筋原線維をキモトリプシンで消化してHMMを調製した後、尿素-アセトン処理で重鎖を分離した。これを化学的または酵素的に断片化し、BrCN断片6個、リジルエンドペプチダーゼ断片37個、アルギニルエンドペプチダーゼ断片14個、α-キモトリプシン断片6個、トリプシン断片5個を得た。それらの分析により725残基のアミノ酸配列を解明した後、cDNAから演繹した配列と比較した結果、355残基はS1領域(同領域の約43%)に、370残基はS2領域(同領域の約83%)に属していることが判明した。S1領域のペプチド断片が得にくい理由は不明であるが、消化や凝集しやすいためと考えられた。また、cDNAクローンから演繹した配列と発現ミオシンタンパク質の配列を比較した。さらに、ニワトリ骨格筋ミオシンで知られている35残基目のモノメチルリジン(Mml-35)の部位はスケトウダラミオシンでは非修飾リジンであり、その周辺のアミノ酸配列は各種骨格筋ミオシンと52〜57%の相同性を示した。また、550残基目にはトリメチルリジン(Tml-550)が存在し、その周辺の配列は他種ミオシンの配列と相同性が高かった(71-81%)。さらに、S2領域にある834Va1-Tyr-Tyr-Lys-Ilc-Lys839はβ-シート構造と予測され、コイやウサギの骨格筋ミオシンで予測されているα-ヘリックスとは異なっていた。ミオシン・タンパク質にはcDNAクローンとは配列が異なる2種のアイソフォームの存在が推定された。(なお、昨年度までに別途にLMM(1288-1937)の全アミノ酸配列も決定している。)
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