1995 Fiscal Year Annual Research Report
コイ普通筋をモデルとした魚類ミオシンの構造と特性に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
07456095
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 東京大学, 農学部, 教授 (40111489)
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Keywords | コイ / ミオシン / L-メロミオシン / cDNA / PCR |
Research Abstract |
魚類ミオシンは畜肉のそれに比べて著しく不安定であるが、その性状が魚肉の貯蔵・加工に際して大きな問題となっている。そこで、コイ普通筋から温度馴化に伴って発現する、性状の異なったミオシン・アイソフォームを単離し、その一次構造を決定して比較するために、まずcDNAクローニング用のDNAプローブを作製することを試みた。 まず、市販のコイ(平均体重600g)を10,20,30℃の水槽で1ヶ月以上飼育し、温度馴化させた。これらコイから背側普通筋を採取し、高イオン強度下、Mg^2+ATPを加えて、ミオシンを抽出し、硫安分画で精製した。次に、この精製ミオシンを0.12M NaCl存在下、1/130量のα-キモトリプシンを加えて、10℃で30分間限定分解し、頭部サブフラグメント-1と尾部ロッドに切断した。ロッドについてはさらに、0.5M KCI存在下、再び1/130量のα-キモトリプシンを加えて、10℃で30分間限定分解し、L-メロミオシン(LMM)とサブフラグメント-2に切断した。さらに、LMMをSDS-PAGE後にナイロン膜に転写し、プロテインシーケンサに供試して、N末端アミノ酸配列を調べた。その結果、10℃馴化コイのLMMではRAKYETDAIQRTE、一方30℃馴化コイのLMMではRTKYETDAIQRTEELEEAKと決定された。したがって、10および30℃馴化コイのLMMではN末端から2番目のアミノ酸が異なることが明らかになった。 次に、常法より、10および30℃馴化コイの普通筋から、λファージをベクターとしてcDNAライブラリーを作製した。さらに、先に得られたLMMのN末端アミノ酸配列をもとにDNAプライマーを合成し、ライブラリーを鋳型としてPCRを行ったところ、約200bpのDNAフラグメントが得られた。DNAシーケンサに供して塩基配列を決定し、アミノ酸を演繹したところ、上述の配列と一致し、DNAプローブとして有効であることが明らかとなった。
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[Publications] S.Watabe: "Temperature acclimation induces ligh meromyosin isoforms with different primary structures in carp・fast・skeletel・muscle" Biochem. Biophys. Res.Commun.208. 118-125 (1995)
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[Publications] M.Nakaya: "Differences in the thermal stabillity of acclimation temperature-associated types of carp myosim and its rod on differential" Biochemistry. 34. 3114-3120 (1995)
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[Publications] S.Watabe: "Sequences of cDNA clones encoding α-actin of carp and goldfish skeletal muscles" Fisheries Sci.61. 998-1003 (1995)