1995 Fiscal Year Annual Research Report
農地所有・利用の動向と農地保全管理の方策に関する研究
Project/Area Number |
07456099
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
倉内 宗一 東京農工大学, 農学部, 教授 (70143633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幹俊 東京農工大学, 農学部, 助手 (90014969)
渕野 雄二郎 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60015104)
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Keywords | 離農 / 土地持ち非農家 / 耕作放棄地 / 条件不利地域 / 有益費 / 集落土地調整 / 農地保有合理化事業 / 認定農業者 |
Research Abstract |
1.統計分析の結果、以下の点が明らかになった。(1)高齢農業従事者のリタイヤと若干層の農業非後継に伴う離農が全国的に明確化し一層厳しくなった。(2)農地貸借は更に進展し、借地者は次第に特定農業者に絞られ、貸し付け者の主体は土地持ち非農家に移る傾向がみられる。(3)耕作放棄地が増大し、従来比較的に発生の少なかった畑作地の北海道、東北で最近急増した。(4)都市地価下落と農業収益悪化を反映して、農地価格下落と小作料の定価が全国的に進展している。 2.実態調査分析の結果ではつぎの点が解明された。(1)中山間地域でも通勤兼業が可能な地域は、条件不利地域の圏外とするべき実態も存在する。(2)平坦部複合作地域では、未整備の畑地・果樹園の区画整形拡大と集団化を利用権を含めかつ有益費処理についての地域合意を形成して整備すべき段階にきている。(3)集団・団地的な農地利用集積には、農地保有合理化法人の中間保有機能を生かす形態が有力であるが、市町村(農委)や農協組織が補完する形態が通例で、かつ末端集落(農用地利用改善組合)がその集積になんらか重要な役割を演じていることで共通する。(4)認定農業者制度は行政の認定と地域認知との間で一致するときもあり不一致の場合もあるが、不一致の場合には集団的土地利用秩序の形成は期待できない。 3.以上から(1)多様な農地所有者と利用者に介在して所有と利用を結ぶ機関・組織として行政(権利関係、情報収集・通知)農協(地代処理、情報収集・通知)があるが、その末端では集落が利用権の契約関係に実質影響を与えるような重要な役割をしている。集落を中心とするこれらの経済的・法的機能を整理していくことが課題になると判断される。また(2)農用地管理と非農用地管理の関係、条件不利地域対策、小作料政策及び有益費補償方式などが新たな視点で検討されるべきことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 倉内宗一: "農地所有・利用調整と担い手育成" 農業の基本問題に関する調査研究報告書. 21. 1-33 (1995)
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[Publications] 倉内宗一: "農政転換の課題と方向" 農業問題研究. 40. 1-12 (1996)
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[Publications] 渕野雄二郎: "地域農業の生産主体づくりと経営改革" 農業と経済. 61. 21-26 (1995)