1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07456112
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山さき 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (00026460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (50206207)
笈田 昭 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10026461)
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Keywords | 走行装置 / 農業ロボット / 不整地走行車両 / 乗り越え / 段差 / 水平制御 / 電気駆動 |
Research Abstract |
農業ロボット用走行装置が具備すべき条件として、(1)走行装置上部のプラットフォームは不整地走行でも常に水平状態を保ち、農業ロボットとしての高い作業効率と作業精度を保持する、(2)旋回時に車輪の横滑りや縦滑りにって地表面を乱さない、(3)化石燃料の使用を極力抑え、環境問題に配慮する、(4)可能な限り計量であること、(5)複雑な機構を持たず、安価であること、などを挙げ、設計、試作、障害物乗り越え実験を行った。 開発した走行装置は、3車軸6輪をベースにした三分の一モデル車両で、物理的な車軸は存在せず、前方左右車輪と後方左右車輪は全て独自に電気モーターを装着し、独立して駆動される。また、6輪とも空気圧シリンダによって独立して上下に移動することができる。中間の左右車輪は操舵用のもので、旋回の場合は前方あるいは後方の車輪を上げ、小型電気モーターによって独立して最適実舵角に設定される。車両前部に設置した超音波センサが路面の高さの変化を検出すると、その信号に基づいてシーケンシャルに各車輪の高さをコンピュータ制御する。この車輪の位置制御は空気圧切換弁のオンオフ制御で行った。また、車輪の上下移動に伴う前後方向への車体の傾斜を回避するために、バッテリやコンプレッサを搭載したパレットを前後に移動させて車両の重心位置を積極的に移動させた。 本機の障害物乗り越え性能を進行方向の側方から見た断面が矩形状の高さ10・18・21cmの段差乗り越え実験によって評価した。実験の結果、車両はいずれの高さの段差もスムーズに乗り越えることができた。高さ検出超音波センサ、ピッチ角センサやロール角センサの特性、空気圧シリンダの容量、フィードフォワード制御の問題点など、今後解決しなければならない課題がいくつか発生したが、過去に例のないユニークな車両が開発されたと評価している。
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