1996 Fiscal Year Annual Research Report
作物の茎蒸散流量とベッド水分を入力とする水耕栽培固形ベッドの給水制御の最適下
Project/Area Number |
07456113
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Research Institution | SHIMANE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤浦 建史 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (00026585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 圭わん 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (50252903)
竹山 光一 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20032625)
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Keywords | スギ・ヒノキ樹皮 / 樹皮培地 / 潅水制御 / 蒸散流量 / 熱伝導率 |
Research Abstract |
本研究はスギ・ヒノキ樹皮の培地の栽培システムの性能を改善し、その普及を促進し、自動潅水システム及び加温システムを開発するための基礎研究として、培地の物性、吸水・乾燥特性、培地の熱伝導率及び潅水制御特性について検討を行った。 養液栽培用樹皮培地としての吸水・乾燥特性の実験では、樹皮培地を水に漬けると、約12時間ではほぼ飽和状態に到達した。飽和状態の樹皮培地を自然排水させると、5分後のみかけの三相比率は、固相が約26%、液相が約28%及び気相が約46%であった。その中の固相が約26%内、9%が繊維自体のの真の固相、17%が繊維内部の液相であった。このように気相の割合が大きいために、樹皮培地は通気性が良子であると考えられる。 樹皮培地の熱伝導率に関する実験では、樹皮培地の温度、みかけ密度、繊維のサイズ及び体積含水率との関係を明らかにした。樹皮培地の熱伝導率は、温度の増加とみかけ密度の増加とともに減少する傾向示した。樹皮培地の熱伝導率は、0.12〜0.23[W/(m・°K)]の範囲であり、ロックウ-ルの約1/3程度であった。 樹皮培地の潅水制御のために、ミニトマトを培地し、作物の成長量と培地のpF値との関係について検討を行った。光の強さを人工的に変化させ、作物の茎における蒸散流量(茎流量)、茎径及び培地内のpF値の変化をしらべた。その結果、光の変化に対して、それぞれ10分、9〜18分、8〜10分の応答の遅れが生じた。これらの時間差は、茎流量とpF値ではpF値に関係なくほぼ一定であった。一方、光の変化に対する茎径変化の遅れは、pF値が大きくなると長くなる傾向を示した。また、茎流量は、pF値増加とともに減少した。以上の結果より、樹皮培地における潅水限界点は、pF1.6〜1.7であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)