1996 Fiscal Year Annual Research Report
離散要素法による籾と玄米の揺動選別現象のシミュレーション
Project/Area Number |
07456116
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
坂口 栄一郎 東京農業大学, 農学部, 助教授 (00147480)
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Keywords | 籾 / 玄米 / 揺動選別 / シミュレーション / 離散要素法 |
Research Abstract |
1.実験による籾と玄米の揺動選別現象の観察 実際の揺動選別機の選別板上にアングルを用いて選別容器を取り付けて、容器内の殻粒層の流動状態及び籾と玄米の選別状態をビデオカメラで撮影し、時間と共にビデオテープに記録した。2次元シミュレーションと比較検討するため、選別容器の長さは20cm,奥行き2cmとした。籾と玄米の質量比は1:4とし、合計20gを用いた。選別方向角度は20°とした。初期状態として、籾を上端付近の下層に敷きつめた。選別容器の底面がアクリル板と選別板の場合について、ビデオ画像とその画像処理によって、流動状態と籾の分離過程を比較した。共に流体のように波が生じて流動した。アクリル板の場合、殻粒層はすぐに下端方向に滑り、偏析現象によりゆっくりと籾は自由表面に浮上したが、下端付近に分離されなかった。選別板の場合、籾は上端側壁に衝突して玄米層に乗り上げ、自由表面上を下端方向に移動し、下端部付近に分離された。その後、若干の対流現象は見られるが、分離状態の大きな変化は見られなかった。 2.籾と玄米の揺動選別現象のシミュレーション 円要素を用いた離散要素法で、上記の実験と同条件での揺動選別現象をシミュレートできるプログラムを開発し、計算結果をスキャンコンバータ等でアニメーション化した。選別板の凹凸による効果は、底面において1cm毎に仮想の垂直壁を設け、底面に接触した要素のみ仮想壁の影響を受け、壁と要素とのくい込み量が大きくなると、壁の影響はなくなり、下端方向へ移動できることで対応した。その結果、実験でみられたように、選別容器の底面がアクリル板と選別板による流動状態及び籾の分離状態の特徴が再現できた。しかし、籾が分離した後、対流によって、混合と分離状態を繰り返した。今後、要素の形状による転がりの抑制や選別板の凹凸の正確な表現を考慮すべきであると考えられる。
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