1996 Fiscal Year Annual Research Report
種雄牛の生殖器における各種ペプチドと複合糖質の組織化学的および免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
07456130
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
山田 純三 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10003104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月瀬 東 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20059752)
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Keywords | ウシ / 生殖器 / 精巣 / 副生殖腺 / 免疫組織化学 / レクチン / 複合糖質 / ペプチド |
Research Abstract |
1)牛精巣で,各種実験動物で存在が報告されているペプチドを免疫組織化学的に検索した結果,牛精巣には各種実験動物で報告されているoxitocin、substanceP、GRPは認められなかったが,S-100蛋白,vimentinおよびinhibinがSertoli細胞に認められた。2)牛の尿道周囲腺複合体の分泌上皮を一般的な組織化学と標識lectinを用いて検索した。牛の尿道周囲腺複合体は、その位置的な関係から前立腺体部、前立腺伝播部及び尿道球腺に分けられ、性質の異なる3種類の腺房と6種類の分泌上皮細胞が確認された。3)Holstein雄牛の血清中のinhibin(I),FSH,LH及びtestosterone(T)濃度をRIAで測定し,これらの加齢変化を明らかにした。Iは1歳未満の子牛で最も高く,その後,加齢と共に減少した。FSHは1歳以下の子牛で最も低く,以後,加齢とともに増加した。LHは0.2歳群で最も低く加齢と共に増加する傾向が窺われた。Tは加齢と共に増加した。I濃度は春期発動前でFSH濃度と負の相関を示した。4)春期発動前の変化を詳細に検索し次の所見を得た。血清中ホルモン濃度;Iは2カ月まで高く,春期発動後低下した。FSHは出生時低く,2カ月例で一過性の上昇し,春期発動から急激に上昇した。LHは出生時低く,生後1-2カ月で一時的に上昇し,その後安定した。Tは,出生後徐々に上昇し,6カ月齢で急激に上昇し,カ月齢で減少した。精巣組織中のI及びT濃度;出生から2カ月まではIは高かったが以後減少した。Tは血清中Tのように加齢による増加は本研究期間では認められなかった。Iの免疫組織化学的検索;Iの免疫組織化学的成績は血清中および精巣組織中I濃度と一致した。以上の成績は雄牛の加齢現象,特に春期発動でのホルモン変化を明示した。
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