1996 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ遺伝性バンド3欠損症の病態解析に基づいた新たなバンド3生理機能論の確立
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07456140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 睦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00183179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 直章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40251417)
土井 邦雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
小野 憲一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
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Keywords | 赤血球膜 / 遺伝性疾患 / バンド3 / アニオントランスポート / 酸塩基平衡 / 膜タンパク質 / 膜骨格タンパク質 / ウシ |
Research Abstract |
A.赤血球ならびに腎バンド3cDNAの単離・同定 1)正常牛、ならびにバンド3欠損症牛の骨髄cDNAライブラリーより両者で同一サイズの赤血球バンド3cDNA(3.4kb)をクローン化した。その解析から、牛赤血球バンド3は930アミノ酸残基から成ることが明らかになり、また、バンド3欠損症における遺伝子異常は、既に報告した664番目のコドンにおけるナンセンス変異(R664X)のみであり、それが原因遺伝子異常であることが確認された。 2)上記に基づき、ゲノムDNAからPCR-SSCP法、あるいはPCR-RFLP法による遺伝子診断法を確立した。 3)ウシ腎のライブラリーから、赤血球バンド3のtruncated formである腎バンド3cDNAをクローン化した。現在、その5′側配列を解析中である。 B.バンド3遺伝子を導入した細胞を用いてのバンド3機能の検討 1)クローン化した正常、ならびに欠損症牛由来の赤血球、および腎バンド3cDNAから、まず、in vitro転写・翻訳系で正常、ならびに変異バンド3蛋白質の合成・発現を検討した。その後、cDNAをpcDNA3.1ベクターに組み込み、COS-1細胞への導入し、安定的にバンド3蛋白質を発現する細胞を選択している。それが得られれば、細胞のイオン環境の恒常性維持機能、エネルギー代謝、増殖率、膜骨格構造等を比較・検討する予定である。 C.ヘテロ保因牛における病態解析 1)上記A-2)による遺伝子診断で確定診断したヘテロ保因牛13頭、正常牛74頭の赤血球について、膜蛋白質、アニオン輸送、形態を解析した。その結果、ヘテロは無症候性であるにも関わらず、バンド3が正常の70%に、アニオン(^<35>SO_4^<2->)輸送が60%に、それぞれ減少していること、軽度-中等度の形態異常(球状赤血球症)を生じていることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koshino,I.,他3名: "Molecular basis and genetic diagnosis for hereditary band 3 deficiency in cattle" Biochem.Biopys.Res.Commun.(in press). (1997)
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[Publications] Inaba,M.,他11名: "Defective anion transport and marked spherocytosis with membrane instability caused by hereditary total deficiency of red cell band 3 in cattle due to a nonsense mutation" J.Clin.Invest.97. 1804-1817 (1996)
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[Publications] Okabe,J.,他5名: "Hemoglobin types,erythrocyte membrane skeleton and plasma iron concentration in calves with poikilocytosis" J.Vet.Med.Sci.58. 627-634 (1996)
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[Publications] Yawata,Y.,他8名: "Complete band 3 deficiency in cattle:A model for hereditary spherocytosis with striking instability of cytoskeletal network with marked exo-and endocytosis" Blood. 85. 468- (1995)
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[Publications] Matsumoto,M.,他3名: "Molecular basis of bovine erythroid protein 4.2 polymorphysm" Biochim.Biophys.Acta. (in press). (1997)
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[Publications] 稲葉 睦: "牛の遺伝性赤血球膜蛋白質異常症" 家畜診療. 401. 73-80 (1996)