1996 Fiscal Year Annual Research Report
食用きのこの匂い分子生成遺伝子の構造と発現に関する研究
Project/Area Number |
07456154
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
早川 利郎 新潟大学, 農学部, 教授 (60018538)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 斗志夫 新潟大学, 農学部, 助手授 (00251794)
三ツ井 敏明 新潟大学, 農学部, 助教授 (70183960)
|
Keywords | マイタケリポキシゲナーゼ / シイタケリポキシゲナーゼ / マイタケヒドロペルオキシドリアーゼ / 1-オクテン-3-オール / キノコの匂い / 可溶型酵素 / ミトコンドリア膜結合型酵素 |
Research Abstract |
(1)シイタケの匂い物質生成の引き金酵素、リポキシゲナーゼの局在性について調べた。菌糸体と子実体の比較ではダイズ粉を窒素源、ダイズ油を炭素源にした培地では菌糸体の比活性は子実体よりも高い傾向にあった。子実体幼菌時の活性は、傘と柄は、ほぼ等しが、成熟時では大部分が傘に局在した。 (2)8種類のキノコのリポキシゲナーゼの活性を測定した結果、菌体当たりではヒラタケ傘が最も高かった。 (3)8種類のキノコのリポキシゲナーゼの最適pHをはかったところ、いずれもpH1.5〜4のところにあったが、ヒラタケはph7.5〜8.5のところにも活性が認められ、アイソザイムの存在が示唆された。 (3)シイタケリポキシゲナーゼの精製を試みた。シイタケ子実体の傘部を50mMリン酸緩衝液(pH7)でホモゲナイズし、上清をセパクリルS-200ゲル濾過、DEAE-トヨパール、ダイマトリックスGreenAクロマトグラフィーで精製し、アイソザイム1(L=1)と2(L-2)を得た。リノール酸に対する最適pHはL-1:3.8、L-2:3.7、リノレン酸に対してL-1:3.0、L-2:6.0、アラキドン酸でL-1:6.3、L-2:5.5で基質が異なると最適pHが変動することが明らかになった。最適温度はL-1:30℃、L-2:35℃であった。活性発現に金属イオンの関与が示唆された。 (4)リノール酸に対するkMはL-1:0.02mM、L-2:0.35mM、L-1の等電点は5.12であった。ゲル濾過ではブルーデキストランと同位置に溶出し、数十万の高分子量であると考えた。 (5)マイタケ子実体のホモジネートを遠心分画した結果、リポキシゲナーゼは可溶型酵素だった。マイタケの全香気量の7割を占める1-オクテン-3-オールの生成酵素、ヒドロペルオキシドリアーゼはミトコンドリア膜結合型酵素であることが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 鐘国安・城斗志夫・早川利郎: "シイタケ菌糸体におけるリポキシゲナーゼの誘導" 日本農芸化学会誌. 69・3. 255 (1995)
-
[Publications] 真野亜弥子・城斗志夫・早川利郎: "シイタケのリポキシゲナーゼの精製と性質" 日本農芸化学会誌. 70・3. 311 (1996)
-
[Publications] 高桑衣重・城斗志夫・早川利郎: "食用キノコにおけるリポキシゲナーゼ活性" 日本農芸化学会誌. 71・3. 166 (1997)