1997 Fiscal Year Annual Research Report
食用きのこの匂い分子生成遺伝子の構造と発現に関する研究
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07456154
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Research Institution | Niigata university |
Principal Investigator |
早川 利郎 新潟大学, 農学部, 教授 (60018538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 斗志夫 新潟大学, 農学部, 助手 (00251794)
三ツ井 敏明 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70183960)
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Keywords | きのこのリポキシゲナーゼ / 1-オクテン-3-オール / ヒドロペルオキシドリアーゼ / ヒラタケLOXの分子量 / 1-オクテン-3-オン / 3-オクタノール / 桂皮酸メチル / 1,2,4,6-Tetrathiepane |
Research Abstract |
申請者はシイタケ、ヒラタケ、マイタケのリポキシゲナーゼ(LOX)とヒラタケ、マイタケのヒドロペルオキシドリアーゼ(HPOL)の精製と反応生成物の解析を同定を行った。シイタケ、ヒラタケ、マイタケのLOXが不飽和脂肪酸のリノール酸を過酸化して13-ヒドロペルオキシドリノール酸をつくる。つづいて、HPOLが生成したヒドロペルオキシドリノール酸を切断し、きのこの主要な香り成分であるC8化合物の1-オクテン-3-オールをつくる経路を明らかにした。GC-MSにより、きのこの香り成分を検索したところ、1-オクテン-3-オールが最も多く、つづいて3-オクタノール、1-オクテン-3-オールが検出された。シイタケでは僅少の1,2,4,6-テトラチエパンが、ヒラタケでは桂皮酸メチルが検出された。 ヒラタケのLOXの生成を試みた。精製酸素の最適pHは8で、酸性側のpH2.5〜3.0のところにも若干の活性があらわれたが、その原因については今後明らかにしたい。ヒラタケLOXの分子量は87,000であった。 つづいてヒラタケLOXの一時構造を明らかにするため、精製酸素のSDS電気泳動を行い、酸素タンパク質の泳動部分を溶出し、ペプチド-クエンサーでアミノ酸の検出を試みたが検出できなかった。これは酵素タンパク質のN末端がブロックされているためと考えた。今後、種々の方法を用いて本酵素が十分量得られるよう努力し、これを用いてcDNAライブラリーを作成し、これらのタンパク質をコードする遺伝子を分離するよう努力したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 城斗志夫, 鐘国安, 早川利郎: "シイタケ菌系体におけるリポキシゲナーゼの誘導" 新潟大学農学部研究報告. 50(2). 87-94 (1998)
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[Publications] 城斗志夫, 高桑衣重, 早川利郎: "キノコにおける1-オクテン-3-オール合成経" 日本農芸化学会誌講演要旨. 72(印刷中). (1998)