1996 Fiscal Year Annual Research Report
大脳白質グリア複合体の発生学的および比較解剖学的研究
Project/Area Number |
07457006
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 満 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10196876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 知之 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10199698)
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Keywords | 神経再生 / 海馬 / 海馬采 / 大脳白質 / グリア細胞 / oligodendrocyte / astrocyte / microglia |
Research Abstract |
平成7年度は、主に透過型電子顕微鏡によるラット海馬采グリア複合体の生後発達について観察を進め、以下の新知見を得た。 1.電子顕微鏡レベルでグリア細胞のアポトーシスを同定した。海馬采におけるグリア細胞のアポトーシスをin vivoで確認した意義は大きい。これによって、グリア細胞列が細胞分裂とアポトーシスとを繰り返しながら形成されることがより強く裏付けられた。 2.生後2週間から4週間におけるグリア細胞列のheterogeneityをMori&Leblondの分類により掲載した。この結果から、各グリア細胞列がほぼ独立してoligodendrocyteを連続的に成熟させていく発達様式が示唆された。 平成8年度は、上記の研究を発展させ、免疫組織化学的二重染色を施行することで、astrocyteのアポトーシスを確認し、共焦点型レ-ゼ-顕微鏡で得られた画像をコンピュータを用いて3次元的に解析した。また、走査型電子顕微鏡による観察を行い、成体ラット海馬采において、astrocyteの突起がoligodendrocyteの細胞体や突起を覆い包むグリア間相互関係を認めた。さらに、軸索およびグリア突起からなる織物様構造が走査電顕上で観察され、大脳白質の理論的再構築像を裏づけた。ヒト剖検脳を用いたグリア複合体の比較解剖学的研究については、2例の正常対照群より海馬および海馬采を剖出し、光学顕微鏡および透過型電子顕微鏡を用いて観察した。固定条件のため微細構造の保存は不十分であったが、ラットと同様に神経軸索間隙に数珠状のグリア細胞配列を認めた。
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[Publications] 佐々木由佳他: "透過型電子顕微鏡を用いたラット海馬采グリア複合体の生後発達の研究-細胞分裂とアポトーシスの同時進行による動的発達様式-" 脳と精神の医学. 7・2. 191-199 (1996)
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[Publications] 鈴木満他: "ラット海馬采におけるoligodendrocyteの生後発達と髄鞘化過程" 神経組織の成長・再生・移植. 8. 11-12 (1996)
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[Publications] 小川登紀子他: "周生期ラット海馬采における神経軸索の伸長とグリア環境" 神経組織の成長・再生・移植. 8. 33-34 (1996)
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[Publications] 北畠顕浩他: "走査型電子顕微鏡による大脳白質の3次元構造の研究I.成体ラット海馬采のグリア細胞構築を中心として" 脳と神経の医学. (印刷中). (1997)