1995 Fiscal Year Annual Research Report
酸素と炭酸ガスの呼吸リズム発生神経機序にはたす役割
Project/Area Number |
07457008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福田 康一郎 千葉大学, 医学部, 教授 (10009649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 知子 千葉大学, 医学部, 助手 (20272320)
林 文明 千葉大学, 医学部, 講師 (80173029)
千葉 胤道 千葉大学, 医学部, 教授 (20009525)
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Keywords | 呼吸リズム / 酸素 / 炭酸ガス / 延髄 / 脳切片 |
Research Abstract |
呼吸リズムが延髄の腹頭側部分で形成されることは判明しているが、リズム発生に必要な酸素と炭酸ガスの作用機序は明らかでない。本年度は、成熟ラットのin vivo全身標本と成熟ラットのin vitroの脳切片標本を用い、延髄腹頭側部分の呼吸ニューロンのリズム性活動発生について酸素と炭酸ガスの作用過程を調べる基礎実験を行い、以下の新知見を得た。 1.成熟ラットの全身標本を用いた実験:ウレタン麻酔・人口呼吸下に、横隔神経および呼吸抑制にもっとも強い抵抗を示す舌咽神経茎突咽頭筋枝の神経活動を記録しながら、低酸素、低炭酸ガス、中枢化学感受性領野冷却を行い、呼吸リズム停止および再回復過程におけるこれら吸息性神経活動の変化を比較した。 これらの結果、呼吸リズム形成は、延髄腹頭側内のみに限局する基本的吸息性リズム発生過程と、これが各呼吸運動ニューロンに同期した吸息性活動を発生させる過程の2段階に分けられることが判明した。血中酸素と炭酸ガスの中程度減少は、リズム形成機構から末梢への同期した吸息性活動を発生させる機序を機能的に抑制し、強い低酸素と低炭酸ガスは延髄内基本的吸息性リズムの発生を抑制した。 2.次に若干成熟ラットのin vitro脳切片(延髄横断)標本を作成し、周期性神経活動発生の可能性を検討した。両側の顔面神経核の尾端と疑核の頭側を含む横断脳切片において、規則的な周期性活動が延髄腹側表層100-200μmの深さから記録できた。低酸素はこの周期性活動の発生を抑制したが、低炭酸ガスを負荷しても周期性活動は抑制されなかった。炭酸ガスの効果はこの標本に含まれない化学感受性領野を介して生じると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fukuda,Y.,Tanaka,K.and chiba,T.: "Inspirutong ac Drty nespase to ling in Hadin and ucu halnve Fallay surface cooling of zlonophauyugeal neve and its susfoneuion disroutim in the sat" Nauroscieuce Pesearch. 23. 103-114 (1995)
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[Publications] Aouda,A.,Masuda,Y.,Hayashi,F.,Fukuda,Y,: "Invitio mainstion spinal preparanon of the neonatalnat urmpre in tactnigth vagus inerue and tue nigtct atrim" Jpn J Physiol. 45 Supp1. S-55 (1995)
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[Publications] Fukuda,Y,: "induction of nosprutory shymicity by alcctricalstimulation of me venfral moaudry surfuc in auesmefizednts" Jpn J Physiol. 45 Supp1. S-84 (1995)
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[Publications] 福田康一郎: "若年成熟ラットと新生ラットの延髄腹切片における周期性活動発生の比較" 第73回日本生理子会大会予稿集. 265- (1996)