1995 Fiscal Year Annual Research Report
カンプトテシン誘導体による下痢発症機構の電気生理学的研究
Project/Area Number |
07457011
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹口 紀晃 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00019126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 秀紀 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (60242509)
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Keywords | カンプトテシン / 下痢 / 塩素イオンチャネル / トロンボキサンAX_2 / 制癌剤 |
Research Abstract |
カンプトテシンは中国原産の喜樹から抽出されたDNAトポイソメラーゼIの阻害剤である。その誘導体塩酸イリノテカン(cpt-ll)は肺癌、大腸癌、卵巣癌などの難治性の癌にも優れた効果がある。しかし、新聞にも報道されたごとく、その副作用として白血球減少や激しい下痢があり、その使用は現在厳格にコントロールされている。本研究ではこの下痢発症機構を解明し、下痢抑制方法を確立することを目的とする。この激しいコレラ様下痢は従来の下痢止め薬では止められなく、新しい下痢機構が考えられる。 これまでの塩酸イリノテカンによる下痢機構に関する申請者らによるこれまでの研究結果を要約すると、塩酸イリノテカンにより、大腸の粘膜上皮下の細胞から、エイコサノイドおそらくはトロンボキサンA_2(TXA_<>)が遊離され、粘膜のクリプト細胞にある受容体に到達し、クリプト細胞による塩素イオン分泌を亢進し、下痢にいたる。現在、これまでの成果にもとずき、以下の研究を展開している。A)粘膜上皮下の細胞から遊離されるのが、TXA_<>であることはその受容体阻害薬並びTXA_<>合成阻害薬の作用により確認した。B)クリプト細胞にTXA_<>レセプターがあることはこれまで知られていないが、その存在を明らかにすべくパッチクランプ法及び顕微蛍光画像法の実験を行っている。C)TXA_<>がクリプトの分泌側膜中にある塩素イオンチャネルを活性化させる細胞内メッセンジャー機構および下痢誘起機構についてほぼ解明が可能となりつつある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakai,H.et al.: "Eicosanoid-mediated Cl^- secretion induced by the antitumor drug irinotecan(CPT-ll)in the rat colon." Naunyn-Schmiedeberg's Archiev fur Pharmacology. 351. 309-314 (1995)
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[Publications] Sakai,H.et al.: "A gastric housekeeping Cl^- channel activated via prostaglandin EP_3 receptor-mediated Ca^<2+>/nitric oxide/cGMP pathway." Journal of Biological Chemistry. 270. 18781-18785 (1995)
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[Publications] Sakai,H.et al.: "Ca^<2+> -activated outward-rectifier K^+ channels and histamine release by rat gastric enterochromaffin-like cells." European Journal of Pharmacology-Molecular Pharmacology Section. 291. 153-158 (1995)
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[Publications] Asano,S.et al.: "Functional expression of gastric H^+,K^+ -ATPase and site-directed mutagenesis of the putative cation binding site and the catalytic center." Journal of Biological Chemistry. 271. 2740-2745 (1996)
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[Publications] Morii,M.et al.: "Oligomeric regulation of gastric H^+,K^+ -ATPase." Journal of Biological Chemistry. 271. 4068-4072 (1996)