1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457028
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 昭久 東京大学, 医学部(医), 講師 (50155933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 浩士 東京大学, 医学部(医), 助手 (80262020)
神野 茂樹 東京大学, 医学部(医), 助手 (10251224)
岡山 博人 東京大学, 医学部(医), 教授 (40111950)
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Keywords | 分裂酵母 / 細胞周期 / 異種・同種生物間遺伝子相補クローニング / 細胞分化 / nrd1 / Isg69 / Ihg72 |
Research Abstract |
分裂酵母のpat1温度感受性変異株は、制限温度下で増殖をG1期で停止し、窒素源の有無に関わらず減数分裂を開始する。このpat1温度感受性変異株を宿主として、異種・同種生物間遺伝子相補クローニング法を用いて、増殖と分化のスイッチングに関与する遺伝子の単離・解析を進めている。今年度は、以下に述べる成果を得た。 1、分裂酵母の細胞分化を制御する因子としてnrd1と名付けた新しい遺伝子を単離した。この遺伝子は、RNA結合ドメインを持つ蛋白質をコードする。この因子は、窒素源枯渇のシグナルを伝達し、細胞分化の開始に必要なStell転写因子の活性を抑制する因子であることがわかった。また、この因子のホモローグが哺乳動物にも存在し、分化した細胞では蛋白質レベルが低下していることがわかった。このことから、酵母から哺乳動物まで極めてよく保存された分化の開始制御機構が存在する可能性が明らかとなった。 2、pat1温度感受性変異株を宿主として、分裂酵母のゲノムライブラリーから新たに2種の遺伝子Isg69とIhg72を単離した。Isg69は、アミノ酸配列からZinc Fingerモチーフと類似するモチーフを持つ転写因子様の蛋白質であり、浸透圧の調節に関与していることが示唆された。Ihg72は、2つのZinc Fingerモチーフを持つ蛋白質で、EGR1(Early Growth Respose 1)転写因子とホモロジーがある。このことから、cAMP依存性キナーゼpkalの標的である可能性が示唆された。
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[Publications] 永田昭久: "Biomedical Perspectives 特集:細胞周期" メディカルビュー社, 110 (1995)
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[Publications] 永田昭久: "血液・腫瘍科 Vol.32 No.2" 科学評論社, 184 (1996)