1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奈良 安雄 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80116417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 誠 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (00187303)
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Keywords | 脳卒中易発症ラット / 食塩感受性高血圧 / 連鎖分析 / マイクロサテライト / ウイスター京都ラット |
Research Abstract |
本研究の目的は脳卒中易発症ラット(SHRSP)を対象に食塩感受性高血圧発症原因遺伝子を明らかにすることであり、特に、雌性に特有な原因遺伝子を明らかにすることである。すなわち、正常血圧ウイスター京都ラットとSHRSPとから作製したF2ラットにおいて食塩負荷後の血圧の上昇が雌雄で著しくことなっていた。雌性の場合、群の平均血圧は食塩負荷12日後では変化せず、負荷1カ月後に有異な上昇が認められ、その後5カ月間の間上昇し続けた。しかし、雄性の場合、群の平均血圧は食塩負荷2カ月後にはじめて有異な上昇が認められたが、その後の5カ月の間有異な血圧上昇は認められなかった。 前年度の研究で雌性の食塩感受性遺伝子がラット第3染色体上に存在することを明らかにしたので、その領域について遺伝マーカーと血圧との詳細な連鎖分析を行った。その結果、食塩感受性遺伝子は短期(12日)と長期(150日)の食塩負荷で異なっていることが明らかになった。短期の食塩負荷では血圧はD3Mgh12とD3Mgh13マーカーの間で一番強く連鎖し、ロッドスコアーは6.2であり、原因遺伝子はこのマーカーを挟んで十数センチモルガン以内に存在すると推測される。短期食塩負荷による食塩感受性高血圧の分散の約24%がこの領域のみで説明可能である。一方、長期食塩負荷では血圧は上記マーカーから50センチモルガン以上離れたマーカーと一番強く連鎖した。長期食塩負荷による高血圧の約16%がこの領域のみで説明可能である。これら領域は雄性の食塩感受性高血圧とは全く連鎖しなかった。 今後これら領域が食塩感受性高血圧に関係することを証明するにはコンジェニック系統を作製する必要がある。すなわち、上記領域のみがSHRSP由来で、他の全ての染色体領域が正常血圧動物である系統を作製し、この系統が食塩感受性を有すればその領域に食塩感受性遺伝子が存在することが証明される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 奈良 安雄: "高血圧モデルラットの遺伝解析" 臨床科学. 32・9. 1150-1158 (1996)
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[Publications] Matsumoto,C.,Nara,Y.,Ikeda,K.,Tamada,T.,Mashimo,T.,Nabika,T.,Sawamura,M.,Yamori,Y.: "Cosegregatin of the new region on chromosome 3 with salt-induced hypertension in female F2 progeny from stroke-prone spontaneously hypertensive and Wistar-Kyoto rats." Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.23. 1028-1034 (1996)