1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457048
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / CD30 / キメラ蛋白 / 染色体 / 転座 |
Research Abstract |
Ki-1リンパ腫は別名未分化大細胞型リンパ腫とも呼ばれる、ヒト悪性リンパ腫の一亜型であり、その2^〜5%を占める。腫瘍細胞が極めて大型であること、CD30を強発現していることが特徴である。その一部の症例に染色体転座t(2;5)があることが以前より知られていた。我々はこの転座をもつKi-1リンパ腫腫瘍細胞をマウスに継代培養することに成功し(1993年)、さらに、この腫瘍細胞を分析したところ、染色体転座点両側に位置する2つの遺伝子から作られる新種のキメラ蛋白質p80が発現していることを見出した(1994年)。本年度はこのp80に対する抗体を作成し、この抗体を用いて多数のKi-1リンパ腫症例を解析し、p80発現例と非発現例の臨床・病理学的差異を検討した。その結果、p80発現例は若年者に多いこと(陽性例の平均16才、陰性例の平均は59才)、また5年生存率が著しく異なる(陽性例は約80%、陰性例は40%弱)ということを見出した。つまりこの陽性例と陰性例は表現型の上では共通であるが本質的に異なる疾患で、臨床的対応においてはっきりと区別されるべき存在であることを明らかにした。さらにp80の腫瘍発生における役割について現在検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 塩田真美,森茂郎他: "Anaplastic large cell lymphoma expressing the novel chimeric protein p80^<NPV/ALK>, a distinct clinicopathologic entity." Blood. 85. 1954-1960 (1995)
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[Publications] 塩田真美,森茂郎他: "Molecular pathogenesis of t(2;5)-associated anaplastic large cell lymphoma (review)" Leukemia and Lymphoma. (印刷中). (1996)
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[Publications] 鬼塚淑子,森茂郎他: "BCL-6product, a 92-98 kDa nuclear phosphoprotein, counterponts is highly expressed in germinal center B-cells and their neoplastic" Blood. 86. 28-37 (1995)
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[Publications] 藤元二郎,森茂郎ほか: "Characterization of the transforming activity of p80, a hyper-phosphorylated protein in a Ki-1 lymphoma cell line with chiomosomal translocation t(2;5)" Proc. Natl. Acad. USA. (印刷中). (1996)