1996 Fiscal Year Annual Research Report
菊池病(組織球性壊死性リンパ節炎)の病因、増殖細胞の特異性と進展機構の解明
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07457053
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴宮 淳司 福岡大学, 病院, 講師 (70206556)
大島 孝一 福岡大学, 医学部, 助教授 (50203766)
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Keywords | 組織球性壊死性リンパ節炎 / HLA / アポトーシス |
Research Abstract |
400例を越える症例についての臨床像については、これまでに得られている成績と同様に若年成人女性の頚部に主に見られ、白血球減少を伴い、一部に皮疹を認めるという臨床像は同様であった.組織学的には、芽球化細胞が増加し、壊死の傾向に乏しい基本的な組織像を示す症例が増加している.病変部に多数みられるアポトーシスを示す細胞は主に増殖しているCD8陽性細胞であり、アポトーシスの形式はgranzime B,perforinが関与する系とfas,fas ligandが関与する2つの系ともに見られることが明らかとなった.このことは本疾患に見られるアポトーシスの発生機転は単一の経路でないことを示すものであり、このことはさらにアポトーシスにウイルスの関与を否定できない成績であった.ヒトヘルペスウイルス6型については、特にこれまでの成績と差異は見られないが、同ウイルス急性感染で皮疹とリンパ節腫大を示した若年成人の症例のリンパ節病変は、傍皮質拡大を示し、免疫芽球反応を示すウイルス感染像を示したが、本疾患と同様な病変を認め得なかった.HLAとの関係については80例のリンパ節より抽出したDNAについて検索した.A11ならびにDR12が高率に見られ、A24の頻度が低いとの従来の成績の確認がなされたが、DRB,DQA,DBならびにDR-DQ,DQA-DQBの連鎖平衡に関しての検討では日本人の平均的頻度分布との間に有意差は見られなかった.またDQA-1-0103,0302,DQB1-0601は比較的高率に、そしてDQA-1-DQB1の連鎖平衡では0103-0601が高率に見られた.今後はさらにAについても連鎖平衡の解析を行うとともに、本疾患の発生が希である白人に於けるHLAとの差異についての解析を行い、本疾患と関連の深いHLA型の存在ならびにその意義について明らかにする予定である.
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Research Products
(1 results)