1995 Fiscal Year Annual Research Report
免疫関連遺伝子欠損マウスを用いた寄生虫感染のサイトカインを介した免疫応答の解析
Project/Area Number |
07457066
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
仙道 富士郎 山形大学, 医学部, 教授 (80091833)
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Keywords | 免疫関連遺伝子欠損マウス / Leishmania major / サイトカイン / IL-4 / IFN-_Y |
Research Abstract |
寄生虫感染の防御免疫にはサイトカインを介した免疫応答が重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。リーシュマニアではIFN-yを介した細胞性免疫応答が虫体排除に関与していると推定されているが、複雑な免疫現象を解明するまでには至っていない。この免疫現象を解明する目的で、今年度はLeishmania major(Lm)をIFN-_Yレセプター遺伝子欠損マウス、IL-4遺伝子欠損マウス、Lm感受性のBALB/cマウスおよびLm抵抗性C57BL/6マウスに感染させ、以下の結果を得た。1.マウスのfoot padにLmを皮下感染させ、その肥厚を観察した。IL-4遺伝子欠損マウスでは、そのワイルドタイプであるコントロール群の肥厚経過と殆ど差異がなく、その程度も感染前と比べて感染4週目でも194%と2倍弱の増加に留まった。これに対して、IFN-_Yレセプター遺伝子欠損マウスは、感染前と比べて、感染3週目で220%,感染5週目で275%,感染6週目で389%と急激なfoot padの肥厚が認められた。2.脾臓および肝臓の単核球細胞によるIFN-_YとIL-4の産生を、産生細胞数の面から、無刺激の系で観察した。Lm感受性のBALB/cマウスおよびLm抵抗性C57BL/6マウス由来の脾臓および肝臓のいずれの単核球細胞でも感染後6週目まで変化は認められなかった。これに対して、IL-4産生細胞数は、肝臓由来単核球細胞で感染後2〜3週目から、特にLm感受性のBALB/cマウスで増加が認められた。一方、脾臓由来の単核球細胞では、その変化は認められなかった。現在、IFN-_Yレセプター遺伝子欠損マウスおよびIL-4遺伝子欠損マウスでも同様の実験を行なっているところであるが、特にLm感受性のBALB/cマウスでIL-4産生細胞数が増加したという結果は、上記遺伝子欠損マウスを用いることにより、Lm感染細胞性免疫応答におけるIFN-_YとIL-4の役割をより明確にすることができるものと期待される。
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