1996 Fiscal Year Annual Research Report
免疫関連遺伝子欠損マウスを用いた寄生虫感染のサイトカインを介した免疫応答の解析
Project/Area Number |
07457066
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
仙道 富士郎 山形大学, 医学部, 教授 (80091833)
|
Keywords | IFN-γレセプター遺伝子欠損マウス / IL-4遺伝子欠損マウス / サイトカイン / Leishmania major / Enzyme-linked immunospot assay |
Research Abstract |
寄生虫感染における複雑な免疫現象を解明するためにIFN-γレセプター遺伝子欠損マウス、IL-4遺伝子欠損マウス、Leishmania major抵抗性C57BL/6マウスおよび感受性BALB/cマウスにL.majorを感染させ、IFN-γやIL-4が寄生虫感染にどのような影響をおよぼしているか検討し、以下の結果を得た。1.L.majorをfoot padに接種後、その腫脹を測定した。抵抗性のC57BL/6マウスおよびそのIL-4遺伝子が欠損したマウスでは、両者に差がなく、感染8週目でも約1.5倍の腫脹であった。これに対して感受性のBALB/cマウスとIFN-γレセプター遺伝子欠損マウスでは、感染5週目ですでに前者は約5倍、後者では3倍強の腫脹が認められた。2.BALB/cマウスおよびC57BL/6マウスの膝下リンパ節細胞、脾臓および肝臓におけるIFN-γ産生Th1細胞、IL-4産生Th2細胞をEnzyme-linked immunospot assayおよびFlow cytometry法を用いて検出した。1)抗原存在下ではC57BL/6およびBALB/cマウスともに、L.major抗原に応答してIFN-γを産生する細胞が検出された。またIFN-γ産生細胞の数はC57BL/6マウスでより多く検出された。このことから、C57BL/6,BALB/cマウスともに、L.major抗原に応答してIFN-γを分泌している細胞が出現していることが示唆された。2)initro、抗原非存在下では感染5週目まで両マウスともIFN-γ産生細胞は認められなかった。3)invitro、抗原非存在下では感染5週目まで、C57BL/6マウスではIL-4産生細胞は認められなかった。4)BALB/cマウスではIL-4産生細胞が脾臓および肝臓で検出され、肝臓では感染の経過に伴い増加した。5)BALB/cマウス肝臓におけるIL-4産生細胞のphenotypeはγδ^+T細胞が感染2週に増加し、感染4週にαβ^+T細胞が増加し、また感染初期にはCD4^-,CD8^-のdouble negativeな細胞もIL-4を産生していることが判明したが、現在この細胞がいかなるものか詳細に検討中である。
|