1995 Fiscal Year Annual Research Report
三日熱マラリア原虫,熱帯熱マラリア原虫の抗原多様性に関する分子免疫学的研究
Project/Area Number |
07457069
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田辺 和裄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40047410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 政継 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60195378)
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Keywords | マラリア / Plasmodium / 遺伝子 / 多様性 / MSP1 / PCR |
Research Abstract |
熱帯熱マラリア原虫メロゾイト表面抗原(PfMSP1)の抗原多様性を遺伝子レベルで解析した結果、以下の様な成果が得られた。 1.PfMSP1遺伝子変異領域特異的プライマー合成 PfMSP1抗原多様性をPCRで調べるために変異領域であるブロック2、4、6、10、14について、変異型特異的プライマーを多種類合成し、MAD株とK1株のDNAを用いて変異型特異的反応を示すプライマーを数種類確定できた。 2.PfMSP1ブロック4組換え型の確認 ベトナム、及び、ソロモン諸島のマラリア流行地から得た100検体以上のサンプルをPCR解析した結果、変異領域の一つであるブロック4においてMAD型とK1型以外に、両型の組換え型が存在することを見い出した。これはPfMSP1が変異領域においても組換えを起こして多様性を増すことを示す。 3.複数のPfMSP1型の重複感染 ベトナム南部の二つの県から得たフィールドサンプルを分析・比較した結果、一人のマラリア患者に複数のPfMSP1型が存在する重複感染の程度が地域により異なることを見出した。中でも伝統的な生活習慣(野外生活の多い)を守っているカホ族においてそれが高いことが明らかになった。また、地域間におけるPfMSP1遺伝子型の出現頻度の検討も開始した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 田辺和裄: "マラリアワクチンの開発の現状と課題" 日本臨床. 54(印刷中). (1996)
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[Publications] 金子修、田辺和裄ら: "熱帯熱マラリア原虫メロゾイト表面抗原(MSP1)遺伝子ブロック4の多様性" 日本熱帯医学会雑誌. 23. 増刊号37 (1995)
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[Publications] 金子修、田辺和裄ら: "ベトナムにおける熱帯熱マラリア原虫メロゾイト表面抗原(MSP1)遺伝子多型の分布" 寄生虫学雑誌. 45(印刷中). 増刊号 (1996)
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[Publications] 木村政継,田辺和裄ら: "マラリア患者微量血液サンプルからの原虫DNAの調整とPCR法による原虫種の判別" 寄生虫学雑誌. 45(印刷中). 増刊号 (1996)