1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹川 千尋 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70114494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 信彦 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80194364)
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Keywords | 赤痢 / 赤痢菌 / 病原性 / 感染 / 細胞侵入 / インテグリン |
Research Abstract |
粘膜上皮細胞への赤痢菌の侵入と拡散は、本菌のIpaBCDとVirG蛋白により各々行われる。Ipa蛋白の菌体表層への分泌は大プラスミドのコードするMxi-Spa typc III蛋白分泌装置により行われるが、菌が細胞侵入性を発揮するためにはさらに菌体からIpa蛋白が遊離する必要があることを明らかにした。このIpa蛋白の遊離は、赤痢菌を極性化した上皮細胞の側底面側と接触させると促進されること、さらに赤痢菌を細胞外マトリックスと接触させても同様にIpa蛋白の遊離が引き起こされることを見い出し、これが赤痢菌が上皮細胞の側底面から侵入する原因の一つと考えられた。菌体から遊離したIpa蛋白がインテグリン(α5β1インテグリン)とin vitroおよびin vivoの条件下で結合し、その結合が赤痢菌の上皮細胞侵入に必要であること、また赤痢菌の上皮細胞侵入に際しては、菌の付着部位にインテグリンの集積とアクチン重合が誘導され、さらにその部位にビンキュリン、α-アクチニン、テーリン等の細胞接着斑構成蛋白が極在化することを認めた。また赤痢菌の感染に伴い上皮細胞内のpp125^<FAK>やパキシリンのチロシンリン酸化が特異的に誘導されることを見い出した。これらの結果から、赤痢菌のIpa蛋白は上皮細胞上のインテグリンを受容体として結合し、細接着斑の機能亢進により誘導されるアクチン系細胞骨格蛋白の再構築を利用して細胞内へ侵入することが強く示唆された。インテグリンの集合とそれに伴う細胞接着斑の形成は、低分子量GTP結合蛋白のひとつであるrhoに依存していることが知られている。赤痢菌の細胞侵入もrhoの活性に強く依存していることを種々の方法で示し、その細胞侵入に要な細胞骨格蛋白の再構築がrhoに支配されるシグナルに制御されていることを示唆した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Watarai,M.et al.: "rho,a small GTP-binding protein, is essential for shigella invasion of epithelial cells" J.Exp.Med.185. 281-292 (1977)
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[Publications] Suzuki,T.et al.: "Functional analysis of shigella VirG domains essential for interaction with virculin and actin-based matility" J.Biol.Chem.271. 21878-21885 (1996)
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[Publications] Uchiya,K.et al.: "Identification and characterization of phoN-Sf,a gene on the large plasmid of shigella flexneri2a encoding a nonspecitic phosphatase" J.Bacteriol.178. 4548-4554 (1996)
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[Publications] Watarai,M.et al.: "Interaction of Ipa proteins of shigella flexneri with α5β1 integrin promotes entry of the bacteria into mammalian cells" J.Exp.Med.183. 991-999 (1996)
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[Publications] Suzuki,T.& Sasakawa, C.: "Extracellular transport of VirG protein in shigella" J.Biol.Chem.270. 30874-30880 (1995)
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[Publications] Watarai,M,et al.: "Disultide oxidoreductase activity of shigella flexneri is required for release of Ipa proteins and invasion of epithelial cells" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 92. 4927-4931 (1995)
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[Publications] Sasakawa,C.(分担執筆): "細菌の細胞への侵入(分子医科学シリーズ)" メディカルレビュー社, 16 (1997)