1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
谷口 孝喜 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40094213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 和暢 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20264517)
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80186759)
浦沢 价子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90045378)
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Keywords | ロタウイルス / ナンセンス変異 / 欠失 / リアソ-タント / プラークサイズ / 非構造蛋白 / NSP1 |
Research Abstract |
1)NSP1遺伝子が正常なA5-13、500塩基の欠失があるA5-16、ナンセンス変異のため40アミノ酸しかコードしないA5-10の3種のクローンを利用して、NSP1遺伝子の機能を調べた。各クローンから、それぞれ大、中、小プラーク形成サブクローンを分離した。しかし、いずれのサブクローンも親クローンと同一のNSP1遺伝子を有しており、A5-13感染細胞ではNSP1蛋白を発現したが、A5-10およびA5-16クローン感染細胞ではNSP1蛋白の発現を検出できなかった。さらに、A5-10、A5-13あるいはA5-16クローンのいずれを経口投与しても、乳のみマウスは下痢を発症した。これらの結果は、ロタウイルス感染には、in vitro,in vivoいずれにおいてもNSP1蛋白の発現を必要としないことを示す。従って、in vitroでの感染粒子構築が可能となった際、NSP1遺伝子への外来遺伝子の挿入が可能であることを示唆する。2)プラークサイズの異なる各クローンとSA11株との間でリアソ-タントを作成した。A5由来NSP1遺伝子の選択は、A5-13とSA11間では50%がSA11由来なのに対し、A5-10あるいはA5-16とSA11間ではA5由来NSP1遺伝子は選択されなかった。増殖のどの段階でリアソ-トメント形成の不利が働いているかを調べる必要がある。3)In vitroでのロタウイルス感染粒子構築のために、各構造蛋白のバキュロウイルス発現系での発現を試み、VP4,VP6については、収量がやや低いものの発現を確認したが、VP1〜VP3については塩基配列の情報がなく成功しなかった。そこで、我々の分離したKU株についてこれらの構造蛋白、さらに非構造蛋白NSP1〜NSP5の塩基配列を決定した。最終的にKU株のゲノムの全塩基配列をヒトロタウイルスでは世界で初めて決定したことになる。この情報を基に、各セグメントのバキュロウイルスでの発現を試み、in vitroでのロタウイルス感染粒子構築と非構造蛋白の機能についてさらに検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koki Taniguchi: "Non-defective rotavirus mutants with NSP1 gene which has a deletion of 500 nucleotides including a cysteine-rich Zn finger motif encoding (nucleotide no.156-248) or which has a nonsense codon at nucleotide no.153-155." J.Virol.70. 4125-4130 (1996)
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[Publications] Kojima Kazunobu: "Sequence analysis of normal and rearranged NSP5 genes from human rotavirus strains isolated in nature : implication for the occurrence of the rearrangement at the step of plus strand synthesis." virology. 224. 446-452 (1996)
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[Publications] kojima Kazunobu: "Species-specific and interspecies relatedness of NSP1 sequences in human,porcine,bovine,eline,and equine rotavirus strains." Arch.Virol.141. 1-12 (1996)
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[Publications] Kobayashi Nobumichi: "G (VP7) serotype-dependent preferential VP7 gene selection detected in genetic background of simian rotavirus SA11" Arch.Virol.141. 1167-1176 (1996)
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[Publications] Kobayashi Nobumichi: "Slection of rotavirus VP7 gene in the genetic background of simian rotavirus SA11 : implication for rotavirus reassortant vaccine development." Antiviral Res.31. 185-190 (1996)
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[Publications] Pongsuwanna Yaowapa: "Serological and genomic characterization of porcine rotaviruses in Thailand : detection of a G10 porcine rotavirus." J.Clin.Microbiol.34. 1050-1057 (1996)