Research Abstract |
本研究の目的は,脳電位光量差分三次元画像解析法を用いて,老化促進マウス(モデル動物)の脳内海馬,視床などにおける高次神経活動を可視化し,老化過程における神経伝達機構の動態を具体的に明らかにすることである.研究計画の初年度の平均7年度は,当初の計画に従い研究推進に必要な機材整備を計るとともに実験動物の飼育を開始し,基礎データの収集を実施した.それらの内容は,以下の3点に集約される. すなわち, 1)画像記録及び解析用機材の整備(神山,高倉) 現有設備(光量差分三次元画像解析装置,生体アンプ,データレコーダ,誘発電位装置,パソコン等)の他,画像記録および解析用機材(ハイビジョン画像記録システム)として,3CCDカラーカメラおよびコントローラ,ベータカムSPレコーダ,ハイビジョンカメラシステム,対物レンズを新規購入し研究環境を整えた. 2)実験動物の飼育(高倉,斎藤健) 学習障害型といわれる老化促進マウス(SAM・P10)および対照群(SAM・R)の実験動物を飼育し,外観的な老化指標の出現,行動変容の特徴などを観察した. 3)基礎データの収集(神山,斎藤健) 実験動物の脳切片を用いて,海馬を中心とした超精細静止画および動画の映像記録を行い,ハイビジョン画像記録システムによる鮮明な画像記録と,光量差分画像解析装置の超高速記録画像の時間経過に伴う三次元処理との結合が技術的に可能であることが確認された. したがって,ハイビジョン画像記録システムは,従来の画像装置に比し高画質な画像情報を提供することが明らかとなったが,本システムは機器操作が煩雑で習熟に時間を要する難点があり,次年度にかけて操作方法等を慣熟していく必要がある.また,実験過程では,高い組織活性を維持したサンプルを確保し,短時間で種々の処理を行わねばならないため,この点についても繰り返し実験を行い,技術の向上を計ることが重要である.
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