1996 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う身体機能低下の、運動療法による防止効果に関するコホート研究
Project/Area Number |
07457100
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大島 義彦 山形大学, 医学部, 教授 (30018832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 育子 山形大学, 医学部, 助手 (20261703)
千葉 ヒロ子 山形大学, 医学部, 教授 (50123310)
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Keywords | 高齢者 / リハビリテーション / 運動療法 / 訪問医療 |
Research Abstract |
調査地区として、高齢化率、産業構造、文化などの点で山形県の平均値である寒河江市を設定。平成7年9月、寒河江市福祉事務所に登録しているランクC以上の寝たきり高齢者全員、255人に対して医師、理学療法士、作業療法士がグループを作り、疾病罹患の状態、基本動作、日常生活動作、介護状況、意識調査等につき戸別訪問による直接検診を行なった。この調査結果を基に、リハビリテーション効果がより多く期待できる障害老人の日常生活自立度のランクCを中心とする寝たきり高齢者を64人を選び、これを2群に分け、両群が年令、性、罹患疾病、障害度、罹患期間、訪問リハの希望度などにおいて同様の条件になるように調整した。この一方の群に、週1回正味1時間の訪問リハビリテーションを施行した。訪問リハビリテーションの内容は機能訓練を主体とし、その意義、動機付けの他、必要に応じ生活環境の整備助言も施行。訪問リハビリテーションを行わない日には、介護者に予め毎日1時間の同様の運動療法のやり方を教えておき、それを出来るだけ実践させた。月に1回は医師による往診を施行した。また、理学療法士または作業療法士により毎月一回、基本動作、日常生活動作などを評価した。 訪問リハ群32人は訪問リハ開始後1〜2カ月で急速に日常生活動作機能の改善するも、全体としてはその後の改善は頭打ちとなる傾向がみられた。訪問リハ開始後1年後の評価で、訪問リハ群のリハ効果は基本動作能力、障害老人日常生活自立度、生存率で対照群と比べ有意に良好であった。しかし、知的能力に関しては両群に差が見られなかった。なお、中止例は32例中18例家族の継続希望なし9例、病院へ入院5例、施設へ入所4例であり、最後まで訪問リハビリテーションを続けた例は三分の一に留まった。
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