1996 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患による突然死の病態生理学的並びに法医病理学的研究
Project/Area Number |
07457117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 庸夫 山形大学, 医学部, 教授 (70004588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘志 山形大学, 医学部, 助手 (10142217)
梅津 和夫 山形大学, 医学部, 助教授 (10091828)
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Keywords | 突然死 / 虚血性心疾患 / 心筋梗塞 / ルクソ-ルファストブルー染色 |
Research Abstract |
イヌをネンブタール麻酔下に挿管、人工呼吸器装着の後、左大腿静脈より輸液ラインを確保し、血圧モニター用の動脈ラインを左大腿動脈に留置し、左開胸にて心臓に到達し、左冠動脈前下降枝起始部を結紮し、結紮後10分以内、15〜30分、1〜2時間、3〜6時間の4群と冠動脈を結紮しない対照群について、心室細動誘発電圧を測定した。その結果、冠動脈を結紮しない対照群では、170Vであったのに対し、結紮後の群では夫々、140V,53V,114V,136Vとなり、心室細動は冠動脈結紮後15〜30分の間で最も誘発され易くなり、その後は徐々に誘発され難くなることが明らかになった。このことは心筋梗塞発症後15〜30分の間で最も心室細動が起こり易いことを示唆するものと考えられた。 心筋の虚血部位は予想に反して未固定心筋でも6時間の虚血で、またホルマリン固定では5時間位ので見出された。またホルマリン固定後、種々の染色法で虚血部位の染色を行ったところ、従来の染色法では最も早いもので陽性になるのは1.5時間を要したが、ルクソ-ルファストブルー染色法で染色時間を従来の5時間から24時間に延長した改良法を用いると、虚血後15〜30分位のもので虚血部位の収縮帯が青色に染色された。この染色法を用いれば心筋梗塞発症後15〜30分でその証明が可能で、突然死の心筋梗塞診断に有用であることが判明した。
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Research Products
(2 results)