1995 Fiscal Year Annual Research Report
患者皮膚線維芽細胞に筋形質を強制発現する事による遺伝性筋疾患の原因遺伝子の検出と電気生理学的以上の検出-高カリウム血症性周期性四肢麻痺への応用
Project/Area Number |
07457129
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
紫芝 良昌 財団法人冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (00072596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 国太郎 明治薬科大学, 分子生物学, 教授
清水 多恵子 財団法人冲中記念成人病研究所, 主任研究員
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Keywords | 低K血症性周期性四肢麻痺 / 高K血症性周期性四肢麻痺 / イオンチャンネル / MyoD遺伝子 / TTX感受性Naチャンネル / ミオシン / 皮膚線維芽細胞 |
Research Abstract |
〈目的〉我国では臨床的に認められる周期性四肢麻痺の種類が多い。頻度として多いのは低K血症性周期性四肢麻痺であり、遺伝的にも、また他の疾患、特に内分泌疾患、例えば甲状腺機能亢進症やアルドステロン症に随伴して起こることが知られている。高K血症性周期性四肢麻痺も我々の初例の遺伝例が報告され、また甲状腺機能亢進症に合併するものも知られている。麻痺を来す共通の機構は筋細胞の静止膜電位の低下であることは1960年代から知られているが、最近、イオンチャンネルの一次的、二次的異常に基づくことが欧米の研究により明らかにされた。そこで我々は、まず遺伝例について研究方法を工夫して調べることを計画した。〈計画〉周期性四肢麻痺の病態に関する研究では、イオンチャンネルの蛋白の異常と、それによる電気生理学的異常が同時に証明される必要がある。筋細胞の生検材料を得ることが望ましいが、同意されないことが多い。そこで、入手の比較的容易な皮膚線維芽細胞を培養し、これに筋形質誘導因子(MyoD)の遺伝子を導入し、皮膚線維芽細胞を筋細胞化して一連の研究を行なうことを計画した。MyoDの遺伝子については、東京大学薬理学教室野々村教授により提供を受けた。MyoD遺伝子を導入された皮膚線維芽細胞が筋細胞化したかどうかは、ミオシンやTTX感受性NaチャンネルのmRNAが発現されているかどうかを、RT-PCRで調べることにより推測した。〈成績〉1)MyoDの遺伝子を正常線維芽細胞、または高K血症性周期性四肢麻痺の患者の線維芽細胞に導入すると、筋特異的なTTX感受性Naチャンネルを発現することが、患者皮膚線維芽細胞によって確かめられた。RT-PCRによる電気泳動によるバンドの位置は正常と差がなく、我々の対象とした例ではRT-PCRのプライマーではさんだ位置に多様性があるとは考えられない。今後、トランスフェクションの効率を上げるとともに、家系例について変異部分の発見に務める。
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Research Products
(1 results)