1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト消化器癌におけるガストリン受容体遺伝子発現の意義に関する研究
Project/Area Number |
07457136
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
千葉 勉 神戸大学, 医学部, 教授 (30188487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 芳一 神戸大学, 医学部, 講師 (30243306)
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Keywords | ガストリン / ガストリン受容体 / RAS / イノシトールリン脂質代謝回転 / ガストリン拮抗剤 |
Research Abstract |
(1)ヒト消化管腫瘍において、ノザン・ブロッティング法により、胃ECLカルチノイド(5/5例)、胃内分泌細胞癌(2/4)、大腸癌(5/30)症例にガストリン受容体遺伝子の発現が認められたが、胃癌では全く認められなかった。ただ、RT-PCR法を用いると大腸癌では全例で受容体遺伝子の発現が認められた。一方ヒトではRNA splicingによりlong formとshort formのガストリン受容体が存在するが、このうちshort formはすべての陽性例に存在していた。これに対してlong formは約30%に認められた。私達はshort formとlong formではその生物学的活性に差がないことを明らかにしているので、これらの発現の意義については今後の検討が必要である。 (2)胃小細胞癌株ECC10にガストリンを投与すると容量反応性の増殖促進効果と同時に、イノシトールリン脂質代謝回転の亢進、[Ca^<2+>]iの増加が観察された。さらにガストリン刺激によって、MAPキナーゼ、P125FAK、paxillinのチロシンリン酸化とともに、GTP-RASの増加が認められた。そこで、TPA,A23187を投与したところ、A23187投与によって、ガストリンによる、これらすべての反応が弱く再現できたが、TPAはまったく作用がなかった。さらにガストリンによるこれらの反応は、Ca拮抗剤の投与で抑制できたが、Cキナーゼ・アンタゴニストでは十分な抑制は得られなかった。以上より、ガストリンは[Ca^<2+>]iの増加を介して細胞増殖を促進するものと考えられた。 (3)ガストリン受容体アンタゴニスト、AG-041Rを投与すると、上記のガストリンによる反応のすべてが抑制された。またAG-041Rはマストミスのin vivoでのカルチノイドの増殖をも著明に抑制した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y. Kinoshita, T. Chiba, et al.: "Correlatior between serum pepsinogen concentrationand acidity measured by 24-hour pH monitoring." J. Gastroenterol. Hepatol.10. 152-157 (1995)
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[Publications] Y. Kinoshita, T. Chiba, et al.: "Establishment of primary epithelial cell culture from eltriated rat gastric mucosal cells." J. Gastroenterol.30. 135-141 (1995)
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[Publications] M. Maeda, T. Chiba, et al.: "The rat intrinsic factor gene: Its 5'-upstream region and chief cell-specific transcription." J. Biochem.117. 1305-1311 (1995)
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[Publications] Y. Naribayashi-Inomoto, T. Chiba, et al.: "Copresenced of prostaglandin EP_2 and EP_3 receptors on enterochromaffin-like cell carcinoid in African rodents." Gastroenterol.109. 341-347 (1995)
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[Publications] Y. Kinoshita, T. Chiba, et al.: "Gene expressiion of keratinocyte and hepatocyte growth factors during the healing of rat gastric mucosal lesions." Gastroenterol.109. 1068-1077 (1995)