1997 Fiscal Year Annual Research Report
血漿ピペコリン酸の由来と肝障害との関連についての研究
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07457143
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Research Institution | HYOGO COLLEGE OF MEDICINE |
Principal Investigator |
東野 一彌 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30028419)
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Keywords | D-ピペコリン酸 / L-ピペコリン酸 / 肝不全 / 血中アンモニア濃度 / 肝硬変患者 / 肝性脳症 / リシン |
Research Abstract |
1)血漿中ピペコリン酸(PA)、D、L体の測定 肝性脳症及び肝硬変患者では慢性肝炎、正常者に比して血漿中総ピペコリン酸上昇だけでなく、D体もL体とともに増加した。正常人ではL体がD体より多いが、肝性脳症時は、L体よりもD体の増加が顕著で、カナマイシン投与では増加したPAの中でL体よりもD体の低下が著明であった。従ってL体を含めた総PA濃度に他に、腸内細菌によるPAD体の増加が特に脳症発症と関連するもと思われた。 2)脳に対するPAの直接作用 PA(L体、D体)をラットの脳室内に直接注入すると、このラットの脳波に徐波が出現した。D体とL体では作用の強さに差は認められなかった。 以上、L-PAはヒト体内組織のみならず腸内で細菌により産生される。D-PAは恐らくD-リシンから腸内細菌によってのみ産生される。従って、健常人では血漿PA濃度はD-PAよりL-PAが高いと判断される。勿論ヒト体内ではPAよりサッカロピンが主たる代謝産物であり、PAによるPAの代謝に異常がおこるとき、腸内でのPA産生特にD-PA産生が血漿や脳脊髄液中のPA濃度の中で比重を増してくるものと思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujita,T., Amuro,Y., Hada,T.and Higashino,K.: "Plasma levels of pipecolic acid both L-and D-enantiomers in patients with chronic liver diseases, especially with hepatic encephalopathy" In contricution to Hepatology.
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[Publications] 藤田 徹、安室芳樹、波田寿一、足達綱三郎、東野一彌: "肝性脳症患者における血漿ピペコリン酸濃度測定" 第1回日本肝臓学会大会 岩手県盛岡市.