1995 Fiscal Year Annual Research Report
老化に伴うニューロン死における選択的脆弱性とその発生機序
Project/Area Number |
07457157
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
東儀 英夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90155490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50216719)
阿部 隆志 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30202667)
槍沢 公明 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00244913)
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Keywords | 老化 / ニューロン死 / 選択的脆弱性 / 海馬 / 熱ショックタンパク |
Research Abstract |
ヒト剖検脳の海馬におけるheat-shock cognate 70 (hsc 70) messenger RNA (mRNA)の発現についてin situ hybridizationにより、部位間の比較を行い、加齢変化を検討した。hsc 70 mRNA発現は、海馬のCAl、CA2、CA3およびhilusにおいて50%以上の錐体細胞に認められた。hsc 70 mRNA発現ニューロンの割合はCAlおよびCA2よりもCA3において有意に高い。CA1においてこの割合が低いことは、この部位が種々のストレスに対してvulnerableであることを反映している可能性がある。CA1におけるhsc 70 mRNA発現錐体細胞の割合は若年者よりも高齢者で有意に高かった。老年者では、変異した蛋白が増加し、これにhsc 70が結合するためにhsc 70が減少し、これに対して、hsc 70 mRNAがup-regulateされていることを反映している可能性がある。 本研究により、hsc70は、ストレスに対するvulnerabilityが高いCA1領域において発現が弱いことを明らかにした。しかし、加齢によってhsc 70の発現はむしろ増加しており、これは加齢による変異蛋白の増加の結果である可能性が示唆された。従来の報告によると、神経細胞の減少は、海馬の各領域で同程度か、あるいはCA4やhilusに強い。従って、今回の結果は加齢による神経細胞の減少を説明するものではなく、海馬に残存する神経細胞のストレス抵抗性が部位によって異なることを示すものである。ニューロン死の促進因子、抑制因子には、この他にも多数あり、今後さらに他の因子についても研究すべき余地がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tohgi H, et al.: "The concentrations of α-tocopherol and its quinone derivative in the …" Neurosci Lett. 174. 73-76 (1994)
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[Publications] Tohgi H, et al.: "Remarkable reduction in acetylcholine concentration in …" Neurosci Lett. 177. 139-142 (1994)
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[Publications] Tohgi H, et al.: "Reduced and oxidized forms of glutathione and α-tocopherol in the …" Neurosci Lett. 184. 21-24 (1995)
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[Publications] Tohgi H, et al.: "Indoleamine concentrations in cerebrospinal fluid from patients …" J Neural Transm [P-D Sect]. 9. 121-131 (1995)
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[Publications] Tohgi H, et al.: "Effects of age on messenger RNA expression of glucocorticoid, …." Brain Res. 700. 245-253 (1995)
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[Publications] Tohgi H, et al.: "Heat-shock cognate 70 messenger RNA expression in …" Neurosci Lett. 196. 89-92 (1995)