1995 Fiscal Year Annual Research Report
CD34陽性造血幹細胞の選択的分離とCD34細胞による移植法の開発
Project/Area Number |
07457185
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 俊一 東海大学, 医学部, 助教授 (70096212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 普正 東海大学, 医学部, 講師 (70220217)
矢部 みはる 東海大学, 医学部, 講師 (40172514)
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Keywords | 骨髄移植 / 造形幹細胞 / CD34 / HLA抗原 / GVH病 |
Research Abstract |
1. CD34陽性細胞の純化方法の検討 骨髄中の造血幹細胞の表面上に発現されているCD34抗原をマーカーにして、多能性造血幹細胞を純化する方法につき検討した。用いた方法はIsolex Systemで、CD34抗体(1次抗体)と抗マウス2次抗体結合免疫ビーズによりCD34陽性細胞を選択的に分離した。12人の健康ドナーからえられた骨髄の単核球分画中のCD34陽性細胞の比率は3.6〜10.0% (平均6.6%)であり、ナイロンウ-ルにて単球を除去した後にIsolex SystemによりCD34陽性細胞を分離したところ、22.2〜56.4% (平均36.8%)のCD34陽性細胞が回収された。回収された最終細胞中のCD34陽性細胞の純度は61.6〜98.6% (平均92.9%)であった。ナイロンウ-ル処理により単核球数を減少させることが、CD34抗体の単球への非特異的結合を防ぎ、用いるCD34抗体を節約することが可能になった。 2. 純化されたCD34陽性細胞による骨髄移植 10人の予後絶対不良の症例に対してHLA抗原が2〜3個異なる血縁ドナーの骨髄からCD34陽性細胞を選択的に分離して骨髄移植を行った。ドナーは両親が8例、同胞が1例、子供が1例であり、移植されたCD34陽性細胞は患者体重あたり1.01〜5.85x10^6/kg(平均3.49x10^6/kg)であった。10例中9例で生着が認められたが、生着9例中1例が晩期拒絶に陥った。生着が認められた9例における急性GVH病は1例でgrade I、8例でgrade Oであった。 初期の臨床例における経験からCD34陽性細胞による骨髄移植は可能であり、移植に必要なCD34細胞数は2x10^6/kg程度ではないかと推測され、HLA抗原が2〜3個異なっていても急性GVH病の合併は回避される可能性が示された。
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