1995 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NF-κBを介した甲状腺機能調節に関する研究……甲状腺癌発症機序との関連……
Project/Area Number |
07457222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252245)
長屋 敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80262913)
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00211871)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
|
Keywords | TSH / NF-κB / FRTL-5細胞 / Mn-SOD / 甲状腺癌 / ゲルシフト |
Research Abstract |
(1)甲状腺癌におけるスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)発現に関する検討 外科的に摘出された甲状腺癌(乳頭癌13例、未分化癌1例)およびその付随正常組織からtotal RNAを抽出し、ノーザンブロット解析によりMn-SOD mRNAの発現を検討した。mRNAのintegrityおよび発現量を比較するため、house keeping geneであるglyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase (GAPDH) mRNAを用いた。GAPDH mRNA発現量で補正したMn-SOD mRNA発現量は腫瘍組織の正常組織に対する比(T/N ratio)は、リンパ節転移陽性群で有意差は無いものの増加傾向が認められた。TSH抑制療法の有無では、一定の傾向は認められなかった。腫瘍免疫において活性酸素は、重要な役割を果たしている。リンパ節転移を認める甲状腺癌組織にMn-SOD mRNAの発現が増加している傾向は、腫瘍細胞が免疫担当細胞からの攻撃を効率的に回避する機構とも考えられ、今後症例を多くして検討を進めたい。 (2)FRTL-5細胞を用いたNF-kB活性化機構に関する基礎的検討 ラット甲状腺瀘胞細胞由来の細胞株FRTL-5を用い、腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor alpha=TNFα)によるNF-kB活性化機構を検討した。Mn-SOD、IL-6などNF-kBにより転写の促進を受ける遺伝子の発現がFRTL-5細胞へのTNFαの添加により著しく増加した。この際、ゲルシフト法によりNF-kBの活性化機構を検討すると、TNFαがNF-kBの活性化を促進することが明らかとなった。それぞれのNF-kBサブユニットに対する特異抗体を用いて検討すると、TNFαがp65とp50のヘテロダイマー形成を促進することが明らかにされた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Fukushi Kambe他: "Differential induction of Fos and Jun family genes by thyrotropin in rat thyroid FRTL-5 cells." Thyroid. (印刷中). (1996)
-
[Publications] 神部 福司他: "培養甲状腺細胞株FRTL-5における転写調節因子NF-kBのDNA結合能のホルモンによる変動" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47(印刷中). (1996)
-
[Publications] 神部 福司他: "甲状腺特異的転写調節因子TTF-1、Pax-8のDNA結合能の酸化・還元制御" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47(印刷中). (1996)
-
[Publications] 菊森 豊根他: "ヒト甲状腺の癌および正常組織におけるmanganous superoxide dismutaseのmRNAの発現" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47(印刷中). (1996)