1996 Fiscal Year Annual Research Report
各種遺伝子導入ヒト細胞を用いた癌に対する複合遺伝子治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07457255
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
秋吉 毅 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70038660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 欽也 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30271117)
原口 勝 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (40228531)
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Keywords | 免疫遺伝子治療 / サイトカイン遺伝子 / 接着分子遺伝子 / MAGE遺伝子 / ベクター / 複合治療 |
Research Abstract |
ヒト細胞に各種サイトカイン(IL-2,IL-4,IL-6)遺伝子、接着分子(B7)、腫瘍拒絶抗原(MAGE)遺伝子を導入し、これの癌免疫遺伝子医療への応用の可能性について検討をすすめてきた。 まず、IL-2についてはこれをレトロウイルスベクターに組み換え、これを胃癌および大腸癌培養株化細胞にフィブロネクチンフラグメントを用いて導入し、IL-2をかなり高い濃度に産生するstableなクローンを得た。そこでこのクローン細胞のcharacterizationを行うとともに、この細胞と同種、自家リンパ球との混合培養を行いキラーT細胞(CTL)の誘導を行った。その結果、比較的特異的CTLが誘導された。 IL-6についてはアデノウイルスベクターに組み換え、リンパ球を移入したSCIDマウスに同種あるいは自家腫瘍細胞とともにこれを投与することによりin vivoにおけるIL-6遺伝子導入の効果を検討した。その結果、CTLの誘導を認め、さらに抗腫瘍効果が認められた。 IL-4、B7については遺伝子ベクターへの組み換えを行い導入を試みたが、なお十分な成績は得られていない。またMAGE-3遺伝子をプラスミドベクターに組み換え、MAGE-3陰性培養細胞に導入したがmRNA、蛋白レベルで発現するクローンを得た。この細胞のcharacterizationを行うとともにCTLの誘導を検討中である。 今後これらを複合的に併用することによる複合免疫遺伝子治療の検索への試みを進めていきたい。
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