1995 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管の生物学的特性の解析と血管新生阻害剤の治療への応用
Project/Area Number |
07457257
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兼松 隆之 長崎大学, 医学部, 教授 (40128004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 ひかる 長崎大学, 医学部, 講師 (00264226)
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Keywords | 内皮細胞 / 血管新生阻害剤 |
Research Abstract |
ラット、ウサギの大動脈および門脈の血管内皮細胞を血管内膜を外科用メスにてscrapeする方法あるいは内膜を短冊状に切離し、6% gelatin gelに貼付することにより分離・培養している。血管内皮細胞は、12代までは形態的にも機能的にも正常な血管内皮細胞として培養可能であった。factor VIIIやLDL receptorの存在より内皮細胞であることを確認している。門脈内皮細胞と大動脈内皮細胞には、形態学的あるいは機能的な相違はみられなかった。 種々の条件下での内皮細胞の生体反応の検討 血管内皮細胞の分離培養は、難しく長期間の施行錯誤状態であった。 1)正常の酸素供給状態(air 95%,CO_2 5%); 2〜3日で培養フラスコが、confluentな状態になり、継代培養も12代までは可能である。しかし、それ以後のものは形態的にも機能的にも障害された内皮細胞であった。また、この状態の細胞は、6ヶ月間凍結保存が可能であった。(生存率は約70%) 2)低酸素状態; confluentな状態になるまでに約一週間を要し,増殖率は50%以下であった。この状態で培養した、内皮細胞は凍結保存が困難であった。 3)正常の酸素危機状態であるが、血管新生阻害剤とともに培養; まだ、血管新生阻害剤の効果を検討していない。 科研費の給付決定が少し遅れたために、試薬・動物等の購入は行っているが、まだ結果は平成7年度に計画したもの全てを満足していない。 来年度以降に、3)の課題は持ち越している。
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