1997 Fiscal Year Annual Research Report
スキルス胃癌の増殖進展における胃壁線維芽細胞由来増殖因子の解析
Project/Area Number |
07457278
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
曽和 融生 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80046979)
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Keywords | スキルス胃癌 / 線維芽細胞 / 増殖因子 / 腹膜播種性転移 / 接着分子 |
Research Abstract |
スキルス胃癌は,粘膜下層以深に達すると,急速広汎に増殖・浸潤する.このスキルス胃癌の生物学的特性を明らかにするために,スキルス胃癌細胞株(OCUM-2M;以下2M)と胃癌線維芽細胞株(NF-8)を樹立し,相互作用の検討を進めた.これまでの研究により,NF-8はスキルス胃癌細胞の増殖を亢進させ,その増殖因子としての分子量約10kDの蛋白が示唆された.今回,スキルス胃癌細胞の浸潤機序の検討を行った.成果は以下のごとくである.Double chamberを用いたInvasion assayにて,NF-8がスキルス胃癌細胞の浸潤能を促進した.線維芽細胞はスキルス胃癌の増殖のみならず浸潤能にも関与する考えられた.さらに線維芽細胞の浸潤促進作用がTGF-βおよびHGFの中和抗体により抑制されたことから、線維芽細胞の産生するTGF-βおよびHGFが,スキルス胃癌細胞の浸潤促進作用に関与していることが示唆された. スキルス胃癌は高頻度に播種性腹膜転移をきたす.腹膜播種性腹膜転移メカニズム解明には,スキルス胃癌細胞株を用いた腹膜転移モデルが有用である.教室で樹立された2Mから,高率に腹膜転移を形成する細胞株(OCUM-2MD3;以下D3)を樹立した.以下,低転移株2Mと高転移株D3を比較することにより,腹膜播腫性転移メカニズムを検討した.腹膜中皮細胞に対する接着性はD3の方が2Mに比べ有意に亢進していた.中皮細胞の発現するヒアルロン酸への接着性もD3の方が亢進していた.D3細胞の中皮細胞に対する接着能が,抗CD44H抗体により低下した.つぎに腹膜間質と接着を検討した結果,D3の方が2Mに比べ,間質成分への接着性が亢進していた.また,D3細胞は,接着分子α2β1およびα3β1-integrinをより強く発現していた.さらにD3細胞の間質成分に対する接着性が,抗α2β1,抗α3B1-integrin抗体の添加で抑制された.これらのことより,腹膜播種性転移には,癌細胞に発現する接着分子CD44Hとα2β1およびα3β1-integrinが関与していることが示唆された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Inoue T, Chung YS, Yashiro M, Nishimura S, Hasama T, Otani T and Sowa M.: "Transforming growth factor-β and hepatocyte growth factor produced by gastric fibroblasts stimulate the invasiveness of scirrhous gaastric cancer cells." Jpn J Cancer Res.88. 152-159 (1997)
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[Publications] M Yashiro, Y-S Chung, S Nishimura, T Inoue and M Sowa: "Fibrosis in the peritoneum induced by scirrhous gastric cancer cells may act as "soil"for peritoneal dissemination." Cancer.77. 1668-1675 (1996)