1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457281
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
吉田 奎介 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (90018680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 一岳 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (50195046)
川合 千尋 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (50186045)
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Keywords | 胆嚢癌 / 胆汁脂質 / 膵管胆道合流異常症 / 胆石症 |
Research Abstract |
本研究の目的は胆嚢癌多発地域住民を対象に、胆汁脂質成分の変化と、胆嚢癌のリスク因子である膵管胆道合流異常症の頻度とを調査することである。平成7年度には研究環境の整備と検討症例の収集を第一課題とした。 I.研究組織の構築:胆嚢疾患症例の集積のため新潟市およびその周辺の5病院外科と共同研究組織、新潟胆汁脂質研究会を結成した。第1回検討会が平成7年7月16日に開催され、症例の登録プロトコールが決定された。 II.研究設備:高速液体クロマトグラフィーは、平成7年9月15日設置された。基本調整の後、12月より胆汁脂肪酸分析の予備実験を行っている。平成8年2月に和歌山医科大学第2外科教室にて測定技術講習を受けた。 III.症例集積状況:平成7年12月末までの登録症例は161症例(目標の32%)で、胆嚢結石症134例、胆管結石症16例、胆嚢癌3例、他の胆嚢疾患5例、非胆道疾患3例であった。結石の組成分析、胆汁と血清のアミラーゼ活性、胆汁中総胆汁酸濃度、燐脂質濃度、コレステロール濃度等の測定を行った。結石種類別頻度は確認例で、コレステロール結石54.6%、ビリルビンCa石12.8%、黒色石32.6%であった。 IV.今日までの解析状況:1)1960年代の集計に比し黒色石が著増しビリルビンCa石が減少した。2)膵管胆道合流異常症が強く疑われる胆汁中アミラーゼ活性10,000IU/L以上は2例(測定例中1.5%)であった。3)胆石症例の胆嚢胆汁中脂質組成比は、コレステロール結石例でコレステロール/胆汁酸+燐脂質(胆石生成指数)が若干高値を示した。しかし、絶対濃度は以前指摘したとおり全体として低下して胆嚢機能の以上を示唆している。4)登録症例中胆嚢癌の頻度は1.9%であり、症例の年齢構成から見て低くない頻度といえる。 平成8年度にはさらに症例の集積を重ね、胆汁中脂肪酸分画、変異原性検査をも進める予定である。
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